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インフル厳戒、手洗い徹底を=流行のピーク控え、ワクチン出遅れ懸念

 ◇せっけんで丁寧に、泥酔は落とし穴

 ワクチン不足が伝えられる中、インフルエンザ感染予防に効果があるのはやはり手洗いやマスク。東京医大病院感染制御部看護師長の感染管理認定看護師、早川司子さんは「手をきれいに洗えば、ウイルスは死滅する。マスク着用で飛沫(ひまつ)感染を防ぐことができる。人混みを避けることも重要だ」と話す。

 手洗いのポイントについて、早川さんは「せっけんを泡立て15~30秒間丁寧に洗い、流水でしっかり流すこと」と説明する。ただし「家族にインフルエンザ感染者がいると、固形せっけんではウイルスが付着する場合がある」として、ポンプ式の液体せっけんを推奨する。アルコール製剤も非常に効果があるという。

せっけんによる手の洗い方
 早川さんは、せきやくしゃみの飛沫が飛び、手が触れるテーブルや机、いすなどの場所を拭く除菌クロスも推める。室内の加湿も効果があるという。ウイルスはのどに付着すると、体内にすぐに侵入するためうがいの効果は不明だが、渡辺教授は「のどを湿らせて悪いことはない」と話した。

 一方、ウイルスが付着しやすいのに、多くの人があまり気をつけないものとして、渡辺教授はスマートフォンを挙げる。電車内で他人のせきのしぶきが付着したスマホを、そのまま使用すると感染する可能性がある。スマホを清潔に保つように心掛けよう(ただし除菌クロスで拭くのは不可のものもあり注意)。また忘年会シーズンのこの時期、泥酔も感染の落とし穴といえる。「歯磨きせずに長時間寝てしまうと、インフルエンザに限らず感染症の要因になる」と注意を促した。


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