妊娠高血圧症、閉経後も注意
日ごろからの血圧測定が重要
妊娠20週以降に血圧が高くなり、タンパク尿を伴うこともある妊娠高血圧症候群。脳出血やけいれん発作などのリスクがあり、入院しなければならない場合もある。産後12週までに血圧は下がることが多いが、慢性の高血圧症に移行したり、更年期以降に高血圧を発症したりと影響は大きい。日本赤十字社医療センター(東京都渋谷区)第三産婦人科の笠井靖代部長に話を聞いた。
▽妊婦の高血圧リスク
妊娠中、母親は胎盤からへその緒を通し、胎児に酸素や栄養を届けている。妊娠高血圧症候群のはっきりした原因は分かっていないが、胎盤の血管がうまく作られないと胎児への酸素や栄養の受け渡しが不十分になるため、母親側から無理に血液を流そうとして、血圧が上昇するのではないかとも考えられている。
重症化すると、脳出血やけいれん発作、肝機能障害などを引き起こす可能性が高まる上、胎児の発育にも影響が出ることがある。「「糖尿病や高血圧、腎臓の病気を持っていること、家族に高血圧の人がいること、40歳以上の高齢出産、初産などが妊娠高血圧症候群のリスクとなります」と笠井部長は説明する。
治療は食事療法や降圧薬の服用といった方法が中心だが、妊婦の状況や胎児の発育を慎重に確認しながら予定日より早く帝王切開などで出産に踏み切ることもある。笠井部長は「脳外科や循環器科、NICU(新生児集中治療室)などバックアップ体制の整った病院への転院も考える必要が出てきます。妊娠したかもしれないと思ったら、できるだけ早く受診して健康状態を確認してください」と話す。
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(2018/09/21 10:00)