医師の紹介
診療内容
「顔面の痛みである三叉神経痛や、脊椎疾患による首や腕の痛み、腰下肢痛、さらには末梢血管障害による足趾痛など、あらゆる痛みが対象となります。がんによる痛みにも、当院緩和ケアチームと協同して積極的に取り組んでいます。特に初診の場合には十分にお話をお聞きして、何にお困りでどのようなことをご希望なのかを把握するようにしています。さらに問診票を用いながら痛みの原因をこまかく診断しつつ、必要であれば血液検査やCT、MRI などの検査を追加して診療をおこないます」(西江医師)
西江医師が得意としている治療法のひとつに神経ブロックがある。「痛みに合った神経ブロックを行いますが、おもに局所麻酔薬を用いて施行します。代表的なものとしては星状神経節ブロック、硬膜外ブロック、神経根ブロック、三叉神経ブロック、トリガーポイント注射があります。ブロックによっては高周波熱凝固法により長期間効く場合もあります。最近では超音波装置を用いて、より安全に神経ブロックが出来るようになりました」(西江医師)
「岡山大学の痛みリエゾン外来では、痛みの原因が分からない患者さんが多くいらっしゃいました。それからは、特に全身が痛くなるような疾患にも興味を持っています。痛みの原因がわからない慢性痛の患者さんに対しては、少し違ったアプローチをします。痛みの原因を探すのではなく、痛みと上手に付き合っていく、つまり患者さん自身で痛みをコントロールすることを目指します。例えば、慢性痛の患者さんは痛みのため体を動かさなくなり、痛みが悪化する場合があります。そういう患者さんには上手に体を動かしていく方法を考えます。また、痛みが強い患者さんは社会から孤立しがちです。孤独は痛みを強くするといわれているので、仕事や趣味などで社会との交流を勧めます。つまり、慢性痛は心理的、社会的な面からもアプローチする必要があるのです。そして一番大切なことは、患者さんが「自分で治そう」という気持ちを持つことです。我々は、より良い生活が送られるように最大限のサポートをします。慢性痛の治療は、我々と患者さんが協力して、「二人三脚」のような形で一緒に進んでいくのです」(西江医師)
川崎医科大学麻酔科外来では、就実大学の臨床心理士と共同で慢性痛に対する認知行動療法も行っている。認知行動療法は医療者と患者さんが、まさに二人三脚で進んでいく治療で、日々の行動や痛みを記録しながら、痛みを減らして生活の質を上げていく方法である。薬や神経ブロックによる治療だけでなく、このような新しい方法も取り入れた診療をしている。
医師プロフィール
1994年4月 岡山大学医学部歯学部附属病院
1995年7月 広島市民病院麻酔・集中治療科
2003年10月 NTT東日本関東病院ペインクリニック科
2004年7月 岡山大学医学部歯学部附属病院
2007年8月 岡山大学病院 麻酔科蘇生科 助教
2008年12月~2009年2月 カナダマニトバ大学緩和ケアプログラム研修
2015年5月 川崎医科大学附属病院 麻酔・集中治療科
「慢性疼痛」を専門とする医師
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青山幸生 医師 (あおやまゆきお)
東邦大学医療センター大橋病院
麻酔科(漢方外来) 客員教授
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安部洋一郎 医師 (あべよういちろう)
NTT東日本関東病院
ペインクリニック科 部長
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牛田享宏 医師 (うしだたかひろ)
愛知医科大学病院
痛みセンター 部長
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小川節郎 医師 (おがわせつろう)
総合東京病院
麻酔科 ペイン緩和センター
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北原雅樹 医師 (きたはらまさき)
横浜市立大学附属 市民総合医療センター
ペインクリニック 准教授
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花岡一雄 医師 (はなおかかずお)
JR東京総合病院
麻酔科・痛みセンター 名誉院長
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福井聖 医師 (ふくいせい)
滋賀医科大学医学部附属病院
ペインクリニック科 診療科長、病院教授
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細井昌子 医師 (ほそいまさこ)
九州大学病院
心療内科 診療准教授 副科長
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増田豊 医師 (ますだゆたか)
東京クリニック
ペインクリニック内科 部長
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水野泰行 医師 (みずのやすゆき)
関西医科大学附属病院
心療内科・総合診療科 診療講師
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村上孝徳 医師 (むらかみたかのり)
札幌医科大学附属病院
リハビリテーション科 講師