福井聖 医師 (ふくいせい)

滋賀医科大学医学部附属病院

滋賀県大津市瀬田月輪町

  • ペインクリニック科
  • 診療科長、病院教授

麻酔科 神経内科 ペインクリニック科

専門

ペインクリニック、脊椎疾患に対する透視下神経ブロック療法、高周波熱凝固法、パルス高周波法、椎間板内療法、痛みの脳機能画像、学際的な慢性痛の治療

福井聖

1996年に滋賀医科大学麻酔科講師として着任、2007年にはペインクリニック科を設立し、後進の育成に尽力しつつ、難治性慢性疼痛の数々の受託研究、治療法の開発を行ってきた。椎間板性腰痛に対する椎間板内高周波熱凝固法、パルス高周波法の開発など新しい治療方法の開発や、数多くの書籍も刊行している。チーム医療を推進しており、慢性痛に対する学際的カンファレンスを行っており、2013年から、厚労省の慢性の痛み対策事業の一環で、学際的痛み治療センターの名称のもと、痛みセンター設立事業を行っている。現在は同大でペインクリニック医として、臨床と研究双方の第一線で活躍している。

診療内容

専門性の高い診療体制を整えるため、2007年6月から同院は麻酔科とペインクリニック科に分かれた。「ペインクリニックは、病気を癒すだけではなく、患者の Quality of Lifeの向上につながる患者さんの立場になり、患者中心の医療を実践するのに、何ができるかと常に考えながら前進するべく活動しています」と福井医師は言う。また「医療の目的は、身体的にも精神的にも、患者の満足度・幸福感の追求にあり、その意味ではペインクリニックは比較的、医療の原点に近いものと考えています」とも言う。
ペインクリニック科では、薬物療法、神経ブロック療法、心理療法(認知行動療法)、理学療法(ペインリハビリテーション)、運動療法、脳神経外科的療法をバランスよく組み込み、各々の患者にあった治療を提供。神経ブロック療法では、炎症や圧迫などで痛みを伝える神経が敏感になっているか、痛みを感じやすくなっている状態を断つような治療を行っていく。特にX線透視下の神経ブロック療法はパルス高周波熱凝固法など、様々な神経ブロック療法を駆使して保存的な治療を行っており、治療数は年間1,000件程度と言う。透視下神経ブロック療法と手術療法は「ペインクリニックでの中心的治療と位置づけており、安全かつ確実な治療を目標としています」(福井医師)
院内の痛みに関連する各診療科(整形外科・精神科・神経内科・脳神経外科・リハビリテーション科)は密に連携しあい、専門的・心理的アプローチを必要とする患者には、精神科医に適宜対応を依頼。また、ガンマナイフ、機能的脳神経外科治療等は必要に応じて院外の医療施設と連携をとっている。難治性の慢性疼痛に対する治療は、ペインクリニック専門医、整形外科専門医、リハビリテーション専門医、理学療法士、心療内科専門医、臨床心理士、看護師が参加し、器質的な評価、診療をする専門家、心理社会的な評価、診療をする専門家が、同じ患者について定期的に学際的カンファレンスを行っている。現在は、学際的痛み治療センターで、各専門家が痛みの評価を行い、治療に参加する体制の充実を行っている。X線透視下の神経ブロックを中心とした低侵襲治療、椎間板ヘルニア、椎間板性腰痛に対する椎間板内療法、神経根、椎間板や末梢神経に対するパルス高周波法は、安全で副作用の少ない新しい治療として普及してきた。これらの治療に関しては、国立大学では全国でも症例数が多い施設になっている。また椎間板ヘルニアによる腰下肢痛に対しては、最新機器を用いた低侵襲で高度なテクニックによる経皮的椎間板摘出術(PD)を行っている。若年者から中高年まで、できるだけメスを入れない体にやさしい、かつ早期に社会復帰できる治療をめざしている。スポーツによる腰下肢痛も治療している。X線透視下の神経ブロックを中心とした低侵襲治療は、全国の国立大学の中でも症例数が多く、脊椎疾患に対する椎間板内治療、高周波熱凝固法など先進的治療法の実績も多く、紹介患者は県内ばかりでなく、京都府を中心とした関西全域から増えてきている。

医師プロフィール

1982年 山口大学医学部 卒業
1996年 滋賀医科大学麻酔科 講師
2008年 滋賀医科大学付属病院ペインクリニック科 病院教授