ホルモン検査と疾患 家庭の医学

■脳下垂体から分泌されるホルモンとその関連疾患
・成長ホルモン(GH):先端巨大症成長ホルモン分泌不全症
・プロラクチン(PRL):乳汁分泌、薬剤性
・ACTH:クッシング病、クッシング症候群(副腎コルチゾール産生腫瘍参照)
・甲状腺刺激ホルモン(TSH):バセドウ病橋本病
・性腺刺激ホルモン(LH・FSH):閉経、月経不順
・抗利尿ホルモン(ADH):尿崩症(中枢性尿崩症参照)

■副腎から分泌されるホルモンとその関連疾患
・コルチゾール:クッシング病、クッシング症候群(副腎コルチゾール産生腫瘍参照)
・アルドステロン:原発性アルドステロン症
・カテコラミン(カテコールアミン):褐色細胞腫

■甲状腺から分泌されるホルモンとその関連疾患
・甲状腺ホルモン(fT3・fT4):バセドウ病橋本病

■上皮小体(副甲状腺)から分泌されるホルモンとその関連疾患
・副甲状腺ホルモン(PTH):原発性副甲状腺機能亢進症

■その他のホルモンとその関連疾患
 血漿(けっしょう)レニン活性(腎血管狭窄、高血圧)、エストロゲン(月経不順)、プロゲステロン(女性の性腺機能の異常)、テストステロン(男性更年期、不妊)、ソマトメジンC(IGF-I)(先端巨大症、成長ホルモン分泌不全症)などさまざまなホルモンが測定されます。

 これらのホルモン検査は日中のどの時間帯に測定したか、どのような薬をのんでいるのか、などさまざまな状況によって値の解釈が変わりますし、複数のホルモンを同時測定して比較することも必要です。基準範囲に入っているかどうかだけをみるのではなく、総合的な判断が必要です。

(執筆・監修:国際医療福祉大学医学部 主任教授〔臨床検査医学〕 下澤 達雄)