膀胱尿管逆流(症)〔ぼうこうにょうかんぎゃくりゅう(しょう)〕 家庭の医学

[原因]
 膀胱尿管接合部の逆流防止機構の未熟性、あるいは膀胱や尿道の通過障害が原因で2次的に生じることもあります。

[症状][検査]
 尿路感染を反復し、進展すると腎機能障害が出現します。膀胱へ造影剤(X線に写る液体)を入れて、尿をしたときに膀胱から尿管への造影剤の逆流の有無を調べます(排尿時膀胱造影)。

[治療]
 逆流が軽度から中等度であれば自然に治ります。尿路感染をくり返さないよう、抗菌薬を少量予防服用します。逆流が高度であれば、手術をおこないます。逆流防止術は開腹術のほか、2歳以上では腹腔鏡下でおこなわれることもあります。また、内視鏡下でデフラックスという物質を尿管の開口部に注入する侵襲性が低い治療法もあります。

(執筆・監修:自治医科大学 名誉教授/茨城福祉医療センター 小児科 部長 市橋 光
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