肩関節脱臼〔かた(けん)かんせつだっきゅう〕

 転倒などにより肩関節が脱臼する外傷です。ほとんどは前方への脱臼で、肩の疼痛(とうつう)のため腕は動かせなくなり、肩関節前方に脱臼した骨頭を触れます。X線検査により脱臼を確認できます。関節窩(かんせつか:関節をつくっている肩甲骨側のくぼみ)の縁や骨頭(こっとう)の骨軟骨が脱臼時にすれて損傷を生じたり、大結節の骨折を合併することがあります。
 治療はすみやかに脱臼を整復することが必要で、時には麻酔をかけて整復します。整復できない場合には手術で整復することもあります。整復後は上肢を安静にし、時間の経過とともに徐々に運動を開始します。合併症として腋窩(えきか)神経まひ、反復性肩関節脱臼(特に若年者)があります。

■反復性肩関節脱臼
 外傷による肩関節の初回脱臼以後、上肢の運動に伴い脱臼がくり返されるものを反復性肩関節脱臼といいます。外転・外旋位(からだの脇で投球するときの姿勢)で脱臼しやすく、症状としてはこの肢位での不安感や脱臼時の疼痛(とうつう)・違和感などがあります。自然に整復されることもあります。
 肩関節造影検査では関節包の弛緩(しかん)、付着部の剥脱(はくだつ)、関節唇の断裂などがみられます。関節造影後のCT(コンピュータ断層撮影)やMRI(磁気共鳴画像法)検査が関節窩縁(かえん)や骨頭の骨軟骨損傷の評価に有用です。スポーツや日常生活に支障がある場合は、損傷された軟部組織を修復する手術などをおこないます。
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