【ソウル時事】韓国大統領府の張商允社会首席秘書官が30日までに取材に応じた。尹錫悦政権が少子化問題の解決に向けて新設する方針の「人口戦略企画省」について、大臣を副首相級とし「各省庁をコントロールする役割を果たす」と明らかにした。日本との連携にも期待を示した。
 韓国は少子化が急速に進んでいる。1人の女性が生涯に産む子どもの数を表す合計特殊出生率は2023年に0.72と、日本の1.20を大きく下回る。張氏は「国が存立できるかどうかの問題だ」と危機感を示した。
 新たな省は、少子化対策の検討や他国の成功事例の研究などを担う。張氏は「重要なのは(各省庁の少子化対策)予算を事前に審議し、調整する権限を付与することだ。実効性がない事業を外し、新たな事業が必要な場合は加えるようにする」と述べた。
 張氏は、先に少子高齢化を経験してきた日本について「対策をつくる際に参考にしている」と説明。「日本政府と経験や対策について意見交換し、協力していきたい」と語った。
 政権が進める教育、労働、年金、医療の「四大改革」については、人口減少の中で「国の持続可能性を回復する」ための取り組みだと強調。政権は過度な受験競争の緩和や医師不足対策を打ち出している。 (C)時事通信社