インタビュー

遅過ぎた「パンデミック」宣言 
新型肺炎、長期化の恐れも

 世界各地で猛威を振るう新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長が3月11日、「パンデミック(世界的な大流行)とみなせる」と表明した。WHOはインフルエンザ以外の感染症についてパンデミックに関する明確な定義を示していないが、感染の広がりにさらに大きな不安を感じる人は多い。日本はこの状況をどう受け止めたらよいのか。実際にインフルエンザなどのウイルス感染症に取り組んできた専門家に聞いた。

新型コロナウイルスの顕微鏡写真(国立感染症研究所ホームページより)

 ◇流行の長期化食い止めよ

 「文言にこだわる必要はなく、実質的な『パンデミック宣言』だと思う。実際にトランプ米大統領も欧州からの入国拒否など、さまざまな対策を取っている」。昭和大学(東京都品川区)の二木芳人特任教授(感染症)は、今回のWHOの動きを解説する。

 その上で二木特任教授は「もっと以前に、より早いタイミングで出すべきだった、少々遅きに失したと感じている。さらに、メッセージとしても力強さを感じない」と苦言を呈した。また、「この疾患に対しては、パンデミックを宣言して世界が共通の意識と決意で闘わなければならない」と訴えた。

 ◇「パンデミック」表現は09年以来

 ただ、WHOの表明の遅れにより、「国によっては不必要な国境封鎖や根拠のない差別的な動きが出るかもしれない」と危惧する一方、「南米など南半球の国々への拡散を何が何でも食い止めないと、流行の長期化や病気としての定着を招きかねない。日本も早期に対策を緩めると、現在のイタリアのようになりかねない」と警鐘を鳴らす。

 WHOが「パンデミック」という表現を使うのは、2009年の新型インフルエンザ以来11年ぶりだ。今年1月末には新型コロナウイルス感染症について「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言したが、その後も感染は拡大。WHOによると、3月12日時点で感染は118カ国・地域に拡大し、患者数12万5000人以上、死者4600人以上に達している。

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