せきが長引く例も
~マイコプラズマ肺炎(こどもとおとなのクリニックパウルーム 黒木春郎院長)~
発熱や頭痛、せきなどの症状が表れるマイコプラズマ肺炎が流行している。感染症専門医で、こどもとおとなのクリニックパウルーム(東京都港区)の黒木春郎院長に現状と対策を教えてもらった。

マイコプラズマ肺炎の特徴
◇コロナ下で流行なく
原因は「肺炎マイコプラズマ」という細菌で、子どもに多いが大人もかかる。飛沫(ひまつ)感染や接触感染で広がる。
コロナ下で子どもも感染対策に努めたため、「マイコプラズマをはじめ、さまざまな感染症の発生が抑えられました。その結果、免疫を持たない人が増え、感染が広がりやすくなっていると考えられます」。
主な初期症状は発熱や倦怠(けんたい)感、頭痛。子どもでは、鼻水などの風邪のような症状が3~5日続いた後にせきが出るのが典型的な経過だという。
「せきは、初期は『コンコン』と乾いていますが、やがてたんが絡んだ『ゴボゴボ』に変わっていきます」。進行すると炎症が肺に及んで肺炎になる。基礎疾患にぜんそくがある場合は、せきが2週間以上続くこともある。
◇抗菌薬で治療
治療としては、原因菌に有効な抗菌薬が処方される。黒木院長によると、それでおおむね良くなるが、抗菌薬への反応が悪いタイプもあるため、治療を始めて2日ほどたっても改善しなければ、抗菌薬の変更などを検討するという。
感染すると、「せきが出やすくなっていますから、乾燥やほこりを避けるとよいでしょう。水分摂取と睡眠を心掛けることも大切です」。
今後も流行が続く可能性があり、感染防止のためには手洗いやマスク着用も重要だ。「可能なら、子どもにもマスク着用をお勧めします」。免疫を落とさないように、日ごろから十分な睡眠時間を確保することが重要だという。早期診断が大切だとして、「気になることがあれば早めに医療機関にかかりましょう」と黒木院長は助言する。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2025/02/05 05:00)
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