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高まる延命率、重要性増すリハビリ
脳梗塞発病後の治療

医師の管理下、理学療法士が行う適切なリハビリ=総合東京病院提供
 脳梗塞=用語説明=は長い間、日本人の死因の上位を占め続けている。しかし、救急医療の向上や治療法の進歩で、一命を取りとめる人も増えてきた。ただ助かった人にとっては、身体機能をできるだけ回復させ、日常生活の支障を軽減するためにリハビリテーションが大きな役割を果たすようになっている。
 一方で、脳梗塞は再発の危険が付きまとう病気であるため、再発を防ぐ二次予防も重要になっている。このリハビリと二次予防をどう両立させるか、大きな課題だ。

 ◇退院後も継続を

 「現在の医療では、死んでしまった脳細胞を再生させることはできない。脳梗塞を発症した場合、起こった場所や範囲によるが、まひなどの後遺症が残る可能性が高いため、身体機能を回復させるためのリハビリが重要だ」

 「リハビリは急性期から開始する。まひは残っていても、歩行や身の回りのことは、自立してできるよう訓練する。せっかく歩けるようになっても、退院後に歩行できなくなってしまうこともある。入院中だけでなく、退院後も継続したリハビリが肝要である」。脳卒中を専門に見ている総合東京病院(東京都中野区)の渡邉貞義院長(脳外科)は、リハビリの重要性をこう強調する。

 ◇危険因子の管理も不可欠

渡邉貞義・総合東京病院院長
 脳梗塞の再発を予防することも忘れてはならない。血栓を作りにくくする抗血栓薬をはじめとする薬の進歩で、脳梗塞自体の再発率は低下しているが、薬を飲むだけで安心していてはいけない。「危険因子の管理」をしっかりしなければ再発のリスクが高くなるという。

 脳卒中の危険因子としては、次のようなものがある。最初に「加齢」、次に「高血圧」「糖尿病」「脂質異常症」といった生活習慣病、「不整脈心房細動)」、そして多くの病気に出てくる「喫煙」だ。このうち脳卒中における最大の危険因子が、加齢と高血圧だ。加齢は避けることができないが、血圧管理を徹底するだけで高い確率で再発を抑制できるという。

 「高血圧が原因で起こった脳卒中の場合、傷んでいる血管は、脳の血管だけではない。心臓や下肢などの血管に障害が起きている可能性があるため、全身の血管精査が欠かせない」と渡邉院長は警鐘を鳴らす。

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