一流に学ぶ 角膜治療の第一人者―坪田一男氏

(第10回)新しいフィールドに挑戦=「プラスの医療」の時代へ

 角膜移植手術で日本一の実績を築いた坪田氏は、同時に新しい時代の風を感じとっていたドライアイ、角膜再生の研究を続けながら、これまで眼科医療でタブーとされてきた近視治療の導入に踏み切った。

 ◇画期的な近視治療「レーシック」

 「屈折矯正手術・LASIK(レーシック)」は、エキシマレーザーという機械を使って角膜の一部を削ることで、近視や乱視を矯正する手術。タイガー・ウッズをはじめ、中島常幸や芹沢信雄などプロゴルファーたちがこぞって手術を受けたことで話題になった。

 しかし、手術を始めた頃は医師の間でも反発が強かった。

 「健康保険が使えない自費診療のため、眼科医が近視治療をして金もうけをするのかとバッシングの矢が飛んできました。でも、治療を希望している患者がいる。病気の治療はマイナスをゼロにする医療だけど、レーシックはプラスの医療。これからはプラスの医療がもっと増えていくと思ったんです。眼科医がやらないから、当時、眼科以外の医師による治療で問題も起きていた。それも危惧していました」


 大学病院での導入は難しかったため、角膜の専門医らとともにレーシック等の視力診療に特化した施設「南青山アイクリニック」のプロジェクトを立ち上げた。坪田氏は手術顧問としての技術指導に加え、月に2~3日は自ら出向いて手術も担当した。

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