武市宣雄 医師 (たけいちのぶお)

武市クリニック

広島県広島市南区西荒神町1-33

  • 内分泌甲状腺外科専門医
  • 院長

外科 乳腺・内分泌外科 がん

専門

内分泌(甲状腺)外科、甲状腺、放射線発がん

武市宣雄

原爆被ばく者の治療をする父親の影響で医学を志し、甲状腺専門医の道を選んだという。以来、40年以上に渡り甲状腺疾患の治療に貢献している。大学病院での多くの甲状腺疾患患者を治療しその間の甲状腺手術はトータルで約1,300例。積み重ねられた知識と経験をもとに甲状腺専門の同クリニックを開院。バセドウ病や橋本病に代表される甲状腺機能異常と甲状腺がんの早期発見を目指している。的確で丁寧な甲状腺手術の評判は口コミで広がり、甲状腺疾患手術の名医として患者からの信頼もあつい。
武市医師は、約30年間大学病院で診療に当たった後、1995年に甲状腺専門の同クリニックを開設。まず、しっかりと病状を把握する事を第一とする。同クリニックでは患者に分かりやすいインフォームド・コンセントを実施。エコー診断の様子をモニターで見ることができるほか細胞診の結果をモニターで見ながら説明が行われる。この検査結果は、プリントアウトして患者に渡される。
「患者さん自身が検査結果を把握することを重視しているだけでなく、電話でも自分の検査結果を知ることができます。またほかの医師にセカンドオピニオンを求めやすくなっています」(武市医師)
甲状腺の診察にあたっては、甲状腺腫・機能状態・自己抗体・腫瘤(がんを含む)を立体的、総体的にとらえて説明している。また、甲状腺の長年にわたる臨床経験から、バセドウ病と橋本病の他に「バセドウ橋本混在型」という新しい観点を提起し、これに年齢、自覚症状、検査結果を加えて甲状腺疾患診断フロー(広島市医師会臨床検査センター:2001年1月初版)を作製。甲状腺疾患の診断がより的確に行われるよう務めている。さらに武市医師は、原爆被爆者治療、チェルノブイリ原発事故による小児甲状腺障害の研究と旧ソ連核実験場のセミパラチンスクでの甲状腺検診等の経験から「放射線被曝後の甲状腺がん発生過程」の究明を続けてきた。また、週2回吉島病院と広島総合病院(不定期に鉄道病院)で執刀する。「反回神経アーケード作製術」で術後の嗄声(させい・しわがれた声)を防ぎ、2種類の糸を使った独自の螺錠状縫合などで出血を予防する等の独自の技術を生かして「安全、確実、容易な無血(少量出血)甲状腺手術」を確立しており、同時に副甲状腺機能も確実に温存できるようになった。
バセドウ病は薬物療法やアイソトープ治療によって治療可能。しかし、甲状腺が大きな場合などに形成的な外科手術を行うことがある。「甲状腺は女性に多い疾患のため、傷口はなるべく小さくするように心がけています」(武市医師)
手術には一貫してダブルチェックシステムを導入。これは、1.術前の細胞診で自分以外のもう1人の専門医によるチェック。2.術前、各症例に「甲状腺腫瘍・頸部リンパ節地図」を用意し、術中、手術を一緒に行う関連病院の外科医とともにその正確性をチェック。3.手術直後、摘出した腫瘍を患者の家族に説明。4.術後、病理組織を患者と家族に顕微鏡下で説明するなど、すべてに自分以外の視点を入れて対処している。
このほか、広島大学卒業生から成るグループ「広島マスターズ」では2011年より、放射線と甲状腺の関係についての講議を行うなど、甲状腺疾患の理解を広げるための活動を精力的に行っている。

診療内容

甲状腺がんなどについては、個々の病態によって手術と投薬の両方が考えられる。甲状腺がんの多くは、発育速度の遅い高分化乳頭がんであることが知られているが、このタイプのがんの生存率は90%を超えているため、予後の良いがんだと言える。分化度の低い低分化がん・未分化がんや、骨・肺への転移が見られるケースの生存率は悪くなるので、早期診断が不可欠で、細心な治療と追跡が必要となる。甲状腺がんの治療においては、再発を防ぐ為に甲状腺剤の投与を行うが、TSH(甲状腺刺激ホルモン)を非常に低くした状態にしておけば、がんは大きくなりにくい事は、他がんにない利点である。1cm以下の微小がんの場合には、手術をせず投薬での治療を行う事も多いが、小さくても気管に浸潤する恐れのある症例や腫大傾向のあるものは手術に入る。前記の低分化がん、未分化がんの細胞がみつかった時は早期手術切除とする。甲状腺手術は反回神経マヒによる嗄声、不必要な副甲状腺切除(甲状腺の裏面に計4個あり、これを取ってしまうと手指のシビレが起こり患者を悩ますこととなる)、術中・術後の出血を防ぐ事も含めて「外科医なら誰でも出来る、安全・確実・安易な無血(少量出血)甲状腺手術法」の完成に取り組んでいる。甲状腺がんの早期発見、がんの大きさ、個数、周囲浸潤程度、頚部リンパ節転移の有無と拡がり、バセドウ病の病態把握(血流を含めて)のために、最新のエコー診断装置を導入するなどして検査の精度を高めているという。手術待ちは約3~6カ月だが、手術を急ぐ必要のある症例は適宜早目の手術を行う。「甲状腺の患者さんは神経質になりやすい方が多いようです。適切な治療を行えば心配なく、治療できないケースはないということを、時間をかけて説明するよう心がけています」(武市医師)

医師プロフィール

1968年3月 広島大学医学部医学科 卒業
1968年4月 広島大学病院
1970年4月 広島大学原爆放射能医学研究所(外科)
1973年6月~ 広島大学原爆放射能医学研究所(放射線誘発癌研究部門・病理)助手
1977年6月~1978年9月 アメリカUCLA助手(Research Associate)
1978年10月~1980年3月 放射線影響研究所病理部来所研究員
1979年4月 広島大学医学部付属病院(第二外科)
1988年2月 広島大学(医学部付属病院 第二外科)講師
1995年11月~現在 武市(甲状腺)クリニック院長
1999年7月~ 広島大学非常勤講師:原爆放射能医学研究所(疫学・社会医学研究分野
2005年4月 附属国際放射線情報センター非常勤講師
2010年4月 放射線影響評価研究部門)非常勤講師
2012年4月~現在 広島大学非常勤講師(教養教育本部)