西本勝太郎 医師 (にしもとかつたろう)

長崎掖済会病院

長崎県長崎市樺島町5-16

  • 皮膚科
  • 医務顧問

皮膚科

専門

皮膚真菌症

西本勝太郎

皮膚真菌症における我が国の重鎮として多くの研究や論文執筆を行うほか、日本皮膚学会で皮膚真菌症診断・治療ガイドラインの作成にも携わる。足白癬については「白癬菌が人体の中で常在細菌に近い存在になっているため、完全に除去することは困難ではないか」という見方から、症状が消失した後も足のケアとともに週1回程度外用を続けることで再発を防ぐことを提唱。一方で、「例としては、根気と病状次第では完治もあることを説明する」と語る。診療にあたっては、質の高い医療、患者の権利と人格の尊重、患者に対する納得のゆく説明をモットーとしている。

診療内容

趾間型や小水疱型の足白癬は、外用抗真菌薬を投与。ただし多くの足白癬は、単に軽い角質剥離のみで自覚症状が乏しいうえに皮膚糸状菌が存在しても臨床症状がないことも多い。そのため、自覚症状の有無にかかわらず、外用抗真菌薬を趾間から足底全体に塗り残しがないように最低1ヵ月は塗布し続けること。なお、患者が治癒した場合でも家庭内に足白癬患者がいれば、再感染を繰り返す可能性がある。趾間型で浸軟がひどく、ただれているような場合は、外用抗真菌薬では接触皮膚炎を起こしやすいため、患部のケアと対症療法に併せて経口抗真菌薬の内服を行い、ただれが消えてから外用抗真菌薬を使用する。また、足白癬の経過中に痛みや発赤・腫脹、膿性分泌などの細菌感染症状を生じた場合は、外用薬を塗る際に痛みを伴うため、抗菌薬の内服を併用する。
角質増殖型足白癬には、原則として経口抗真菌薬の内服が必要。通常1~2ヵ月ほどで改善するが、合併する爪白癬のため、さらなる治療を要することが多い。
生毛部白癬では、外用抗真菌薬が第一選択。4週間ほど投与し、かゆみなどの自覚症状がなくなれば、治療を中止する。しかし、外用薬を塗ることが困難な場合には内服療法を。また、トンズランス感染症のような毛内寄生菌は毛に感染していることもあるため、経口抗真菌薬の内服を考慮する。同時に、患者との接触者も必要に応じて治療することで、再発や再感染を防ぐ。動物寄生菌による白癬の場合は、感染源となるペットも同時に治療する。
頭部白癬の場合、外用抗真菌薬では白癬を悪化させるため、原則は経口抗真菌薬を内服。
爪白癬について、表在性白色爪真菌症の場合は白斑部を削り取り、外用抗真菌薬を使用するだけで治癒することが多い。遠位側縁爪甲下爪真菌症のごく初期であれば、病変部を爪切りやヤスリなどで除去後、外用抗真菌薬を使用すれば治ることがある。その他の爪白癬に対しては、原則として経口抗真菌薬を内服。ただし、爪甲剥離や楔状の混濁がある難治性の場合、爪甲剥離部や混濁部を物理的に除去することが、まず必要となる。

医師プロフィール

1962年 長崎大学医学部 卒業
1997年 長崎市立市民病院副院長
2003年 日本海員掖済会長崎病院医務顧問