清佳浩 医師 (せいよしひろ)

帝京大学医学部附属 溝口病院

神奈川県川崎市高津区溝口3-8-3

  • 皮膚科
  • 科長、常勤客員教授

皮膚科

専門

皮膚科全般、脂漏性皮膚炎、真菌症、爪疾患、脱毛症

清佳浩

真菌症のエキスパートとして、メディアへの出演多数。外来診療日にはすべての皮膚疾患の診察を行っており、多く診察している疾患はアトピー性皮膚炎・尋常性乾癬・蕁麻疹・水虫・帯状疱疹・円形脱毛症など。皮膚腫瘍は悪性であれば中央手術室で、良性のものであれば外来で手術する。IPL(光)中心の美容外来を行うほか、Narrow band UVBを用いた紫外線療法やイボ冷凍凝固術は日々の診療行っており、円形脱毛症に対するスクワリックアシドを用いた局所免疫療法も多数の患者に使用している。

診療内容

中学生や高校生を中心として「新型の水虫」の感染拡大が懸念されている。トリコフィトン トンスランス菌を原因とするもので、皮膚と皮膚の接触により感染。2000年頃南米から日本に入り込み、国内でも広がりを見せている。相手が感染していれば数分の接触でも移るほど感染力が強く、感染者と2週間ほど生活を共にすると、肌が触れ合わなくても移る可能性が高くなるそう。
「レスリングや柔道など皮膚接触のある格闘技を行う人たち、さらにその家族は特に注意が必要です」と、これまでに15例のトンスランス菌の診療を行ってきた清医師は警鐘を鳴らす。
「感染力は強いのですが、症状は比較的軽い。ふけやかさぶたが少しできたり、毛穴に菌が入り込み黒い点ができるといった程度にとどまる場合が多いですね。ただし重傷の場合は、頭皮が盛り上がって膿が出たり、脱毛が起きたりするケースがあります。円形脱毛症がなかなか治らない場合は、トンスランス菌の検査をするものおすすめです」(清医師)
検査は短毛のブラシを使い、先端が頭皮全体に当たるように、やや強めに10~15回とかす。そのブラシの先端を寒天に押し込んで培養し2週間後の菌を調べる。菌の特定後、体への感染の場合は塗り薬を使って治療。頭皮の場合は、菌が少ない場合は抗菌剤入りのシャンプーを使用して様子を見る。トンスランス菌は、毛に親和性が高く容易に毛の中に進入するため飲み薬を使うのが基本だ。1週間ほどで症状は消えるが、この時点では菌が残っているので保菌者となる。症状が消えたからといって治療を中止せず、菌がしっかりなくなるまで1~2ヵ月程度は薬を使い続けることが大切だという。また、清医師の研究テーマのひとつである脂漏性皮膚炎。単なるフケかと放っておく人も多いようだが、マラセチアというカビ(真菌)の異常増殖によるケースも多いそうだ。治療には、かゆみや炎症を抑えるステロイド外用剤や非ステロイド性抗炎症剤、外用抗真菌剤などの塗り薬、抗ヒスタミン剤、ビタミン製剤などの内服薬が使われる。
適切な治療で症状はかなり抑えられるが、やはり「ステロイド外用剤の使い方には注意が必要」とのこと。
「ステロイド剤は塗るとすぐに良くなりますが、止めると悪化するため、長く使い続けがちになる。脂漏性皮膚炎の炎症自体も長引く場合が多いため、ステロイド剤を塗り続けて皮膚が薄くなるなど、ステロイド皮膚炎になる人も少なくないのです」(清医師)
このため清医師は10~20倍に薄めたステロイド剤を使ったり、弱いステロイド剤とそれ以外の薬を併用したりするそうだ。

医師プロフィール

1976年3月 日本大学医学部 卒業
1977年4月 昭和大学藤が丘病院皮膚科入局
1985年4月 金沢医科大学皮膚科学教室専任講師
1990年1月 昭和大学藤が丘病院皮膚科専任講師
1995年6月 昭和大学藤が丘病院皮膚科助教授
2006年2月 帝京大学医学部附属溝口病院皮膚科科長、助教授
2008年4月 帝京大学医学部附属溝口病院皮膚科科長、教授