宮崎秀夫 歯科医師 (みやざきひでお)

新潟大学医歯学総合病院

新潟県新潟市中央区旭町通一番町754

  • 予防歯科(口臭外来)
  • 教授

歯科 総合診療科

専門

予防歯科、口臭

宮崎秀夫

1998年に日本で最初に口臭専門外来を開設した。それまで欧米でも口臭診療はおこなわれていたが、科学に基づく系統的なものではなかった。1999年、心因性口臭症を含む口臭診断分類を提唱することにより国際的な標準化を進め、2001年からは国際口臭学会会長として世界の口臭研究・治療をリード。口臭診療をいっきにEBM医療へと進化させた。同時に、口臭診療を地域医療に導入しやすくするために、口臭検査に特化した簡易型ガスクロマトグラフィーの開発や各種口臭治療・予防剤の開発に携わる一方で、口臭に関する著書・論文も多く、さらに歯科医や一般向けに講演活動を積極的におこなうなど、この分野への貢献度は高い。同院の口臭外来では「口臭は自己認識しにくいので、小さな悩みでも気軽に相談して欲しい」という。多くの患者と相対してきた宮崎歯科医師の的確な目が原因を特定し解消してくれるはずだ。

診療内容

日本で実施されたインタビュー調査では国民の10%は常に口臭を気にしており、広域での口臭測定調査から、年齢性別に関わりなく国民の少なくとも10%に治療が必要な口臭患者が存在するという推計データがある。これは、1,000万人以上の日本人は口臭治療の必要があるという途方もない数を意味する。
「明らかな口臭があるのに、それに気づいていない人はたくさんいます。逆にまったく問題はないのに、口臭があると思い悩んでいる人も多くいます。これはなぜかと言いますと、鼻の近くのニオイというのは自己認識できないからなんです」これまでに多くの口臭に悩む患者を診断してきた宮崎歯科医師はそう語る。そこで重要なカギを握るのが、ニオイの「質」と「強さ」なのだという。「質」と「強さ」とは、いったい何なのか?
「それがどこから来るニオイなのかを知る必要があるんです。病的なものなのか、生理的なものなのか、あるいは精神的なもの、つまり自らのイメージで作り出した匂いなのか。そして、その強さはどのくらいあるのか。口臭治療は、そのふたつを正確に、かつ客観的に評価することから始まるんです」そのために、まずガスクロマトグラフィー(精密化学分析機器)を使って、口臭の主な原因物質である口腔内の揮発性硫黄化合物(VSC)濃度を測定する。その結果を受け、それぞれの状況に合わせて、治療方針を決めていくのだ。
口臭という判断の難しい専門外来を引っ張ってきた宮崎歯科医師ならではの豊富なデータと蓄積された知識が活かされる場面だ。
「口臭の中には糖尿病や耳鼻咽喉科の疾病など、意外な病気が隠されていることもありますので、判断は慎重に、的確におこなわなければならないのです」
口臭というのは、気にしている人が多いわりには、軽視されがちな病気である。宮崎歯科医師は、一般の人にもわかりやすく口臭予防の大切さを伝える講演会なども積極的におこなっている。それも、オーラルヘルスプロモーション(高いQOLを目指す口腔健康増進)のひとつなのである。最後に宮崎歯科医師はこう語った。
「生きて生活している以上、口臭は誰にでもあります。それを問題視するのは、対人関係社会の中で生きる人間だけなのです。であれば、人間の嗅覚が感じることができない量(濃度)に口臭の発生を抑えることで解決できるということです。そう考えれば、治癒のハードルは低いく比較的簡単なものだと思ってもよいのではないでしょうか」

医師プロフィール

1978年 九州歯科大学 卒業
1982年 九州歯科大学大学院修了
1982年 九州歯科大学口腔衛生学講座 助手
1984年 九州歯科大学口腔衛生学講座 講師
1986年 九州歯科大学口腔衛生学講座 助教授
1995年 新潟大学歯学部予防歯科学講座教授
2001年 新潟大学大学院医歯学総合研究科口腔健康科学講座教授
2003年 新潟大学歯学部附属病院 病院長