医師の紹介
診療内容
「明らかな口臭があるのに、それに気づいていない人はたくさんいます。逆にまったく問題はないのに、口臭があると思い悩んでいる人も多くいます。これはなぜかと言いますと、鼻の近くのニオイというのは自己認識できないからなんです」これまでに多くの口臭に悩む患者を診断してきた宮崎歯科医師はそう語る。そこで重要なカギを握るのが、ニオイの「質」と「強さ」なのだという。「質」と「強さ」とは、いったい何なのか?
「それがどこから来るニオイなのかを知る必要があるんです。病的なものなのか、生理的なものなのか、あるいは精神的なもの、つまり自らのイメージで作り出した匂いなのか。そして、その強さはどのくらいあるのか。口臭治療は、そのふたつを正確に、かつ客観的に評価することから始まるんです」そのために、まずガスクロマトグラフィー(精密化学分析機器)を使って、口臭の主な原因物質である口腔内の揮発性硫黄化合物(VSC)濃度を測定する。その結果を受け、それぞれの状況に合わせて、治療方針を決めていくのだ。
口臭という判断の難しい専門外来を引っ張ってきた宮崎歯科医師ならではの豊富なデータと蓄積された知識が活かされる場面だ。
「口臭の中には糖尿病や耳鼻咽喉科の疾病など、意外な病気が隠されていることもありますので、判断は慎重に、的確におこなわなければならないのです」
口臭というのは、気にしている人が多いわりには、軽視されがちな病気である。宮崎歯科医師は、一般の人にもわかりやすく口臭予防の大切さを伝える講演会なども積極的におこなっている。それも、オーラルヘルスプロモーション(高いQOLを目指す口腔健康増進)のひとつなのである。最後に宮崎歯科医師はこう語った。
「生きて生活している以上、口臭は誰にでもあります。それを問題視するのは、対人関係社会の中で生きる人間だけなのです。であれば、人間の嗅覚が感じることができない量(濃度)に口臭の発生を抑えることで解決できるということです。そう考えれば、治癒のハードルは低いく比較的簡単なものだと思ってもよいのではないでしょうか」
医師プロフィール
1982年 九州歯科大学大学院修了
1982年 九州歯科大学口腔衛生学講座 助手
1984年 九州歯科大学口腔衛生学講座 講師
1986年 九州歯科大学口腔衛生学講座 助教授
1995年 新潟大学歯学部予防歯科学講座教授
2001年 新潟大学大学院医歯学総合研究科口腔健康科学講座教授
2003年 新潟大学歯学部附属病院 病院長
2018年 明倫短期大学 副学長
「口臭症」を専門とする医師
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兼平孝 歯科医師 (かねひらたかし)
北海道大学病院
歯科診療センター予防歯科 口臭専門外来 准教授
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亀山敦史 歯科医師 (かめやまあつし)
東京歯科大学千葉病院
保存科 口臭外来(併任) 准教授
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角田博之 歯科医師 (つのだひろゆき)
慶應義塾大学病院
歯科・口腔外科 非常勤講師
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角田正健 歯科医師 (つのだまさたけ)
東京歯科大学千葉病院
総合診療科 臨床教授
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中井利江子 歯科医師 (なかいりえこ)
アイ歯科
歯科 院長
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中川洋一 歯科医師 (なかがわよういち)
鶴見大学歯学部附属病院
口腔機能診療科 ドライマウス外来 診療責任者 准教授
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福田光男 歯科医師 (ふくだみつお)
愛知学院大学歯学部附属病院
特殊診療科(口臭治療科) 診療部長、教授
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本田俊一 歯科医師 (ほんだしゅんいち)
ほんだ歯科
歯科、口臭外来 理事長・院長
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森田学 歯科医師 (もりたまなぶ)
岡山大学病院
予防歯科 科長 教授
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米田雅裕 歯科医師 (よねだまさひろ)
福岡歯科大学医科歯科総合病院
教授