乾重樹 医師 (いぬいしげき)

大阪大学医学部附属病院

大阪府吹田市山田丘2-15

  • 皮膚科
  • 准教授

皮膚科

専門

脱毛症

乾重樹

わが国における男性型脱毛症のシグナル研究のパイオニア。男性型脱毛症の発症に、毛乳頭細胞で作られ、毛成長を抑制するTGF-βという因子が関わっていることを明らかにした。また、ダーモスコープを使ったトリコスコピーという脱毛症の診断手法を世界に先駆けて開発している。最近では赤色LED照射が毛髪の成長促進効果を有することをマウスの実験で証明し、注目されている。多忙な専門外来ながら、脱毛に悩む患者の心に寄り添い、ユーモアをまじえながら気持ちを解きほぐす診療に人気が高い。

診療内容

同院の皮膚科では、皮膚の領域全般を対象としながら、高度医療を提供する特定機能病院として、専門的・先進的で、きめ細かい医療を提供している。
乾医師の専門分野となる脱毛症の外来では、長期にわたって広範囲な脱毛を生じている円形脱毛症に対する治療としてDPCP(diphenylcyclopropenone)やSADBE(squaric acid dibutyl ester)を用いた局所免疫療法を行っている。さまざまな方法がある円形脱毛症の治療の中でも、発症から6カ月以上経過した難治性の脱毛症に有効とされ、国内はもとより、世界中で広く行われている信頼性の高い治療法のひとつだ。円形脱毛症には免疫の異常が関係していると考えられ、局所免疫療法では脱毛部分に人工的にかぶれをおこさせることで、免疫状態を変化させて、毛髪の回復をめざす。具体的には、DPCPやSADBEの治療液を徐々に濃度を高くしながら1~2週間ごとに患部に塗布していく。軽い掻痒を伴うようになったら、その濃度で継続塗布する。治療効果が現れるまで数カ月から半年以上かかることもあるが、発毛する確率は40~70%程度。ただし、いったん発毛が見られても、状況が再び悪化することもある。
一方、発症後6カ月以内の早期で、急速に脱毛が進行している円形脱毛症の治療には、静脈注射によるステロイドパルス治療を行っている。これは内服の10~20倍のステロイドを3日間だけ点滴する方法で、高い治療効果が得られている。ただし、成長期の子どもの場合は、正常な成長を阻害するおそれがあるので、このようなステロイドの全身投与が行わない。また、脱毛が狭い範囲に固着して、かつ、進行もしていない場合は、ステロイドの局所注射や上記の局所免疫療法が行われる。

医師プロフィール

1991年3月 大阪大学医学部医学科 卒業
1991年4月 大阪大学医学部皮膚科学教室入局
1992年7月 大阪労災病院皮膚科医員
1996年11月 米国ウイスコンシン大学総合ガンセンター研究員
1997年3月 大阪大学大学院医学研究科博士課程修了,学位取得
1997年7月 米国ロチェスター大学ジョージウィップル研究所研究員
1999年1月 大阪大学医学部皮膚科学教室医員
2000年1月 同,助手
2006年4月 大阪大学大学院医学系研究科皮膚・毛髪再生医学寄附講座助教授(附属病院皮膚科兼任)
2007年4月 大阪大学大学院医学系研究科皮膚・毛髪再生医学寄附講座准教授(附属病院皮膚科兼任)