齊藤典充 医師 (さいとうのりみつ)

労働者健康安全機構 横浜労災病院

神奈川県横浜市港北区小机町3211

  • 皮膚科
  • 部長

皮膚科

専門

脱毛症、皮膚血管炎、血行障害

齊藤典充

齊藤典充医師は円形脱毛症に代表される脱毛症をはじめ、生活習慣の影響による頭皮のトラブルなど、薄毛・抜け毛について研究。日本皮膚科学会の「円形脱毛症診療ガイドライン」・「男性型脱毛症診療ガイドライン」の作成に携わるなど、脱毛研究・治療の第一人者として知られている。受診をためらう患者が多いなか、脱毛症は正確な診断のもと適切な治療を受けて頂くことが大切というのが基本スタンス。「悩みや不安を医師に話して頂き、気持ちが楽になるだけでも受診の意味は大きい」という。

診療内容

横浜北東部医療圏の中核施設である横浜労災病院の皮膚科では、午前中に一般外来、午後に手術や専門外来の診療が行われている。通常、初診では午前中の一般外来を受診する。問診票に来院理由などを記入し、詳細な症状などについて初診担当医専門医が問診及び視診を行う。脱毛を来たす疾患には、円形や卵形に髪の毛が抜ける円形脱毛症、成人男性にみられる男性型脱毛(Androgenetic alopecia:AGA)、フケや抜け毛が増える粃糠(ひこう)性脱毛症、ストレスなどで自分の髪の毛を抜いてしまう抜毛症、その他全身疾患に伴う脱毛症など、さまざまなケースがあり、専門医による的確な診断が必要とされる。また、脱毛症の患者は恥ずかしさやコンプレックスを抱いているケースも多く、医師はこまやかな配慮を持って一人ひとりの患者に対応しなければならない。「問診や視診による診断と病状の説明は重要なコミュニケーションだと思っています。以降の治療をスムーズにすすめていくためにも、それぞれの方の性格などを考慮しながら、病状をしっかり理解し、信頼をしていただけるような説明を心がけています」と齊藤医師。
診察の結果、脱毛症と診断されると、脱毛症を専門に扱う毛髪外来での診療が検討される。
毛髪外来には、様々な脱毛症の患者が通院しているが、特に多いのは円形脱毛症と男性型脱毛症だ。円形脱毛症に対しては、一般的な頭皮やその周囲の血行を改善する促進剤や抗アレルギー剤を使用した治療、ステロイドの外用剤を使用した治療に加え、ステロイド剤の局所注射、紫外線療法、意図的に頭皮にごく軽いかぶれを起こさせる局所免疫療法などの治療が行われている。局所免疫療法の有効性については数多くの報告があるものの、実施している医療機関はまだ少ない。また、かぶれを生じさせるため副作用がみられることもあるので、事前にきちんと医師に説明を受けて、納得して治療を受けるようにしたい。一方AGAに対しては、フィナステリドの内服が治療の主流となる。
男性型脱毛が見られる人は国内でおよそ1,300万人。このうち脱毛を気にしている人はおよそ800万人、実際に何らかのケアを行ったことがある人は650万人といわれている。ケア経験率はおよそ50%だが、AGAは進行性なので、放置しておくと髪はどんどん薄くなってくる。市販の育毛剤などを使うのも一つの方法だが、やはり専門医の相談するほうが安心だ。
脱毛症の治療には根気が必要となる。治療を続けていくうちに不安になったり、モチベーションが低下したりすることもある。3ヵ月目で見た目の印象がガラッと変わる人がいる一方で、変化が実感できない人もいる。そんな患者には「小さな変化」を見つけてあげると齊藤医師。特にAGAに対する診療では毛髪のちょっとした変化を患者が実感できることが大切。「たとえば、髪のセットがしやすくなったなど、ちょっとしたことも明らかに良い兆しです」さらに、初診から毎月写真を撮り続け、7ヵ月目の受診の際にまとめて患者に見せるという。「こまめにお見せするよりも、変化がわかりやすいし、みなさん楽しみに通院してくださいます。実際に多くの方が変化を実感している時期なので、みなさんの驚き、喜びの反応を見ていると嬉しくなります」齊藤医師によるフォローアップ体制は、不安に陥りがちな患者のモチベーションを高め、治療を良い方向へと導いている。

医師プロフィール

1993年3月 北里大学医学部 卒業
1998~2000年 米国カリフォルニア大学サンディエゴ校留学
2006年4月 北里大学病院 皮膚科 講師
2011年6月 国立病院機構横浜医療センター 皮膚科 部長
2012年10月 北里大学病院 皮膚科 講師
2014年4月 労働者健康福祉機構 横浜労災病院 皮膚科 部長