古川恵一 医師 (ふるかわけいいち)

聖路加国際病院

東京都中央区明石町9-1

  • 内科感染症科
  • 部長

性病科 泌尿器科 感染症科

専門

内科、臨床感染症学、感染症一般(尿路感染、呼吸器感染、骨関節感染、皮膚軟部組織感染、循環器感染、中枢神経感染、消化器感染、性感染症、輸入感染、HIV感染、不明熱など)

古川恵一

古川恵一医師は日本における感染症医療のパイオニア的存在。国内でもいち早く開設された聖路加国際病院「感染症科」の部長を務めるとともに、東京大学医学部感染症内科講師として数多くの感染症専門医を育ててきた。とりわけ、臨床感染症の分野と抗菌薬の適正使用については第一人者である。幅広い知識や経験により、婦人科、泌尿器科、皮膚科などすべての科の各種微生物、寄生虫によって起こる病気から性感染症、HIVまで全領域の感染症など、あらゆる分野の感染症も不明な原因の発熱についても診ることができる。
古川医師は、同院に着任して21年が経過し、これまでにたくさんの各種感染患者の診察を行ってきた豊富な経験を活かし院内のすべての科から頼られる存在となっている。

診療内容

古川医師が部長を務める聖路加国際病院の感染症科には、国内外のさまざまな患者が訪れる。
「性交年齢の低年齢化に伴い、人工中絶や性感染症が増えています。当院の外来でも、お腹が痛いと受診した高校生がクラミジアなど性感染症に罹っていたケースは少なくありません。性感染症の怖さについて話すと「今まで誰にも教えられなかった」と泣かれたこともありました。日本における性感染症で一番多いのは、クラミジアです。100万人以上といわれています。一般高校生の調査をしたところ、性経験者のうち、女性では13.1%、男性では6.7%が感染していたとの報告があります。男女ともに、感染しても症状を感じにくいので、気づかないままパートナーへうつしてしまうことがあります。パートナーのいる方は、どちらかが罹ったら、必ずカップルで受診することが必要です。そうでないと一回治っても、再感染しますから。女性の場合は、不妊症や子宮外妊娠の原因となります」
性感染症は下半身の病気と思い込みがちだが、脳、眼、肌、腹部など、症状は全身に及ぶため、なかなか気が付かない場合も多いという。
「ブドウ膜炎で眼科を受診したらHIVだった、口の中に瘤が出来て内科を受診したら梅毒だった、あるいは足の関節炎で外科に入院したら淋菌性関節炎だったというのもあります。それから女性は微熱と下腹部痛で婦人科を訪れて、性感染症だと判ることが多いです。夫は無症状だけど、妻に症状が出る病気は少なくありません。ひどくなると卵管炎、骨盤腹膜炎を起こすほか、お母さんからお子さんに産道感染することもあります。あまり知られていないかもしれませんが、子宮頸がんも性感染症です」
性感染症の治療には、特有のむずかしさもある。「同性愛や性交渉など、非常にプライベートなことを聞かなくてはならないので、信頼関係が重要です。聞きにくいし、話したくない事柄ですが、なんとかお話してもらっています」
治療は、クラミジア、梅毒など、ウイルス感染以外の病気は抗菌薬で治すことができる。
「ウイルスはやっかいです。ヘルペスウイルスはウイルスの量を減らす薬はありますが、根絶することはできません。HIVもHPVもウイルスもそうです。それが今の医学の限界です。最近は、抗菌薬が効かない菌の出現と増加が問題になっています。淋菌も耐性菌が増え、効果のある抗菌薬は限られています。同院では、病院全体として耐性菌をできる限り作らないように方策をたて、実行しています」
古川医師の元には、病院内の他科から、毎日多くの「感染症の疑いあり」の患者が紹介されてくる。
「院内だけでなく、他の病院から原因不明の熱がある患者さんを紹介されますし、外来へも様々な症状の患者さんがやってきます。感染症は非常に種類が多く、新しい感染症は増えていますし、過去に流行ったものが形を変えて出てくる場合もあります。また同院は外国人の患者さんも多いので、マラリアなどの、日本に少ない病気を診ることも多いです」
婦人科、泌尿器科、皮膚科などすべての科の、各種微生物、寄生虫によって起こる病気から性感染症、HIVまで、感染症科が診療対象は全領域に渡る。

医師プロフィール

1978年3月 新潟大学医学部卒業
1978年 新潟市民病院内科
1979年4月~虎の門病院内科レジデント、腎センター
1986年9月~カリフォルニア大学サンフランシスコ校、一般内科、感染症科、クリニカルフェロー
1988年7月 聖隷三方原病院総合診療内科ホスピス
1988年8月 ライフプランニングセンタークリニック
1991年5月 茅ヶ崎徳洲会総合病院感染症科部長
1994年7月~ベスイスラエル病院(ニューヨーク)感染症科フェロー
1996年1月 聖路加国際病院内科感染症科医長、東京大学医学部感染症内科講師(非常勤)
2007年11月 聖路加国際病院内科部長、感染症科担当
現在に至る