心臓病のリハビリテーション 家庭の医学

 心筋梗塞や弁膜症などによる心不全からの回復期には体力を改善し、動作効率を高めるために、リハビリテーションがおこなわれます。
 かつては心臓病の場合、心臓に負担をかけないよう安静にして、回復をはかるという時代がありました。しかし、長期間安静にしていると、心臓の機能はむしろ低下し、さらには身体の機能も低下してしまうため、心臓の状態が安定していれば、早期にリハビリテーションを取り入れる、という考えが主流になってきています。初期の運動訓練は、厳密な疾患管理のもとに、病院でおこなわれます。
 家庭生活では、全身体力調整のためにおこなう運動量のめやすとして、自覚的運動強度尺度を利用することができます。

 高齢者用強度の11~13を基準に運動量を加減します。脈拍数をそのつどはかって、1分間に[(220-年齢)×0.7]を超えないように注意します。
 最近では、自宅でエルゴメーター(固定自転車)を購入して、医師の処方に従って、運動することも普及してきました。心臓リハビリテーションの効果により、動作時の自覚症状や動作自体が楽になり、心身両面から快適な生活を続けることができるようになります。

(執筆・監修:帝京大学医学部リハビリテーション医学講座 准教授 中原 康雄)
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