【パリ時事】世界保健機関(WHO)は5日、アフリカ中部コンゴ(旧ザイール)で、天然痘に似た症状の感染症エムポックス(サル痘)」のワクチン接種が始まったと発表した。WHOが8月に宣言した「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」の改善につながるか注目される。
 コンゴは接種の態勢が整っていなかったが、緊急事態宣言後、米国や欧州連合(EU)が計26万5000回分のワクチンを無償供与。医療従事者の研修、ワクチンの保管・輸送設備などの面でWHOの支援も得て、実施にこぎ着けた。
 5日は東部の北キブ州で接種がスタート。コンゴ保健当局は医療従事者や感染者と接触があった人々を対象に、ワクチンを提供していく。
 WHO高官は接種開始が「ウイルス拡散の抑制と地域社会の安全確保に向けた重要な一歩になる」と意義を強調した。 (C)時事通信社