さらなる感染拡大の危険―新型肺炎
「過去に類見ぬ感染症」と専門家
◇「リスクコミュニケーション」を
特に新型コロナウイルスは感染して発症しても、1週間程度は微熱や軽いせきなど通常の風邪と見分けがつかないこともある。その期間、感染しても日常生活を続けてしまう恐れがあり、政府の専門家会議なども注意を呼び掛けているほどだ。そのまま治癒してしまう患者も多いため、感染者として認知されないままの事例も想定され、これまでの感染症対策が適用しにくい、と指摘されている。
感染拡大を防ぐためにプロ野球のオープン戦は無観客で
海外渡航者への医療を担ってきた濱田教授は、「全国的な患者発生が起きている日本は、全体が感染源の可能性があるとみられる。今後、海外への渡航者が訪問先の国から検疫の対象として受け入れを拒まれたり、数週間隔離されたりする可能性も出てくるだろう。そうなれば経済への影響も長期に及んでしまう」と言う。
「このような状況に対応するためには、政府の責任ある立場の人が、分かりやすくかつ正確に説明することが『リスクコミュニケーション』上、不可欠だ」と訴えている。
【用語説明】 新興感染症
近年新しく感染症として認められ、地域や世界的に大きな問題になっている、あるいはなることが警戒されている感染症。人間以外の動物を宿主としていた細菌やウイルスが人も感染対象とし始めた疾患が少なくない。主なものに、HIVウイルスによる後天性免疫不全症候群(AIDS)や鳥インフルエンザ、重症急性呼吸器症候群(SARS)、エボラ出血熱などがある。(喜多壮太郎・鈴木豊)
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(2020/03/02 15:35)