インタビュー

肝がんの集学的治療
岡本、小池両医師に聞く(上)

 国内の肝臓がん死者数は2000年代前半をピークに減少傾向にあるが、それでも年間3万人超を数える。多くは肝臓の組織が硬くなる肝硬変を経て発症。肝硬変肝炎が長く続いた結果起きるが、肝炎の主な原因であるB型、C型ウイルスには近年有力な薬が開発され威力を発揮しているという。ただ脂肪性肝炎など非ウイルス性肝炎を経て肝がんを発症するケースが増加。大きく変化する肝臓がん治療の現状について、東京慈恵会医科大学付属第三病院外科の岡本友好診療部長、消化器・肝臓内科の小池和彦診療部長に聞いた。

 脂肪肝に注意

 ―肝臓がんとウイルスの関連性について教えてほしい。
 小池 肝臓がんはがんになる危険な因子を持っている人とそうでない人がいる。一番はウイルス。B型、
C型肝炎になり、さらに慢性肝炎肝硬変という経過の中でがんができる人が多い。しかし、ウイルスがなければがんはできないと言っていた時代は終わり、脂肪肝の人でがんになる人が徐々に増えている。
 B型、C型合わせて、ウイルスが原因となる肝臓がんは8、9割と言われた時代もあったが、現在はウイルス性ではない肝臓がん患者が50%を占める病院もある。がんの種類としては、肝細胞がんが全体の95%超。残りは主に肝内胆管がん。他に肝肉腫というのもある。
 ―脂肪肝が原因となるがんが増えているとのことだが、どのような経過をたどるのか。
 小池 脂肪肝から突然がんということはなく慢性肝疾患を経過する。経過途中で肝硬変のような状態になり、その先でがんができる。
 ただ、健康診断を受ける人の3割は脂肪肝とされるが、そのすべてががんになるわけではない。何かの因子が重なり脂肪性肝炎、脂肪性肝硬変、そして肝がんになる場合もあるということだ。


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