インタビュー

水虫は梅雨時に急増=正しい治療法を知ろう-仲弥医師

 ◇難治性の水虫も

 ―水虫の症状は。

  水虫は症状や発症部位によって幾つかのタイプに分けられる。足の指の間にでき、皮がふやけてむけたり、ジクジクして赤くただれたりするのが「趾間(しかん)型」。このタイプは強いかゆみがあるのが特徴で、最もポピュラーな水虫だ。

 「小水疱(しょうすいほう)型」は、足の裏や土踏まず、足の付け根に近い部分に赤い小さな水ぶくれができ、かゆみをもたらす。「角質増殖型」は、足の裏の皮が厚く固くなり、白い粉がふいたような状態になる。こすると、ボロボロと皮がむけるが、かゆみはない。

 かゆみのある水虫から難治性の角質増殖型に移行して慢性化するケースも多い。カサカサしているだけでかゆくないので、そのまま治療せずに放置されることが多く、知らないうちに菌をばらまき、周りの人にうつしている可能性もある。

 爪水虫と言われる爪白癬も、白癬菌が爪の中に入り込む難治性の水虫である。爪が白や黄色に濁り、ボロボロと崩れて床に落ち、それが感染源となる。

白癬 
 ―診断はどのように。

  皮がむけたり、強いかゆみがあったり、水ぶくれの症状があったりしても、すべて水虫というわけではない。水虫の症状に似ているからといって自己判断で市販の水虫薬を使用すると、症状を悪化させることもあるので危険だ。異汗性湿疹などのいわゆる「ニセ水虫」の可能性もある。ニセ水虫は水虫と症状が似ているので、患部を見ただけでは専門家でも見分けがつかないことが多い。湿疹に水虫薬を塗ってかぶれることもあり、そうなると、余計に治りにくい。

 水虫を正確に診断するためには、皮膚の表面の一部をはぎ取り、顕微鏡で白癬菌を確認することが重要で、菌が確認されて初めて水虫と診断がつく。水虫は視診だけでは専門家でも診断を誤ることもあるため、必ず顕微鏡で確認して診断すべきである。

 正しい診断を受けるためには、日本皮膚科学会の認定した皮膚科の専門医を受診することをお勧めする。皮膚科専門医は、日本皮膚科学会のウェブサイトで公開されている。

 受診時に薬を使用していると菌の増殖が抑えられ、顕微鏡で菌が見つけにくくなることもあるので、検査を希望する場合は受診2~3週前から薬の使用をやめておく。


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