Dr.純子のメディカルサロン

多彩な分野で活躍 ラスカウスキーさんに聞く

 ラスカウスキー NLPには、共通点を持たない相手と言葉、表現、表情を使って建設的なコミュニケーションをし、結果を得るための方法が沢山あります。これは人間同士のコミュニケーションだけではなく、私はうちのわんことのコミュニケーションにも使っています。さらに、私のグローバルビジネスのワークショップなどにも応用しています。

 NLPを通して自分が得たことは多いのですが、「コミュニケーションは責任を持って意識的に行う」ということが一番大きいと思います。米国では「棒や石は骨を折るかもしれないが、言葉は少しも傷つけない」という表現があります。長い間、私も「そうだな」と信じていましたが、最近ではちょっと違うと思っています。

 人に対して使う言葉には意図のエネルギーが込められていて、人を精神的に傷つけることができると思います。NLPでは、精神的と物理的な要素は切っても切れない関係を持つという前提です。つまり、身体面を変えると精神面が変わる。精神面を変えると身体面が変わる、という感じです。基本は、石が向かってきたら防御をするように、言葉を受ける相手が真面目に受け取るか、そうでないか、または自分の意図でそのエネルギーを倍々に増しているかどうかによって「傷つかない、傷つく」の差が出てきてしまいます。

 物理的な棒や石でも、うまくよければ、けがはしないように、言葉も受け方次第で傷つかなくてもいいのです。しかし、私のコミュニケーションのワークショップには、常に人からの言葉を真面目に受け取るしか方法を知らない人たちがいます。そういう方たちに、選択肢があることを実感してもらうことが、私のNLPのワークショップで目指しているところです。

言葉を訳すのではなく真意を伝える

 米国大使館が青森・三沢基地内で行ったプレゼンテーションで「通訳」でなく「推進役」を務める
 ラスカウスキー 通訳については、そもそもの始まりは私の両親でした。母は100%日本人で、父は100%米国人。子供の時は気がつかなかったのですが、実は母は英語が苦手で、父は10本の指で数えられるほどしか日本語の単語を知らなかったので、2人の会話はブロークン英語でした。私は母とは日本語、父とは英語を使ったので、自然と通訳していたのでしょうね。

 本格的にこの能力を発揮できたのは、私が国防総省の仕事で日本の米国大使館勤務の時でした。私は大学院も終え、日本の企業で3年ほど働いた後に日米の武器共同開発の促進役になりました。担当は主に海軍と海上自衛隊の共同プロジェクトでした。

 その勤務で目の当たりにしたのが、お互いに共同で何かを行いたいにもかかわらず、文化の違い、言語の違い、意思が伝わらないで、できることもできないという残念な状態でした。そこで私は積極的に、通訳ではなく、促進役、英語で言うファシリテーターとして、彼らの間に入って会話を進め始めました。



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