「医」の最前線 感染症・流行通信~歴史地理で読み解く最近の感染症事情~
秋の予防接種~今年は変更点が多い 東京医科大客員教授・濱田篤郎【第9回】
◇どこで接種を受けるのか
新型コロナワクチンが特例臨時接種だった時は、大規模会場などで集団接種が行われていましたが、定期接種への移行に伴い大規模会場での接種は無くなり、自治体(市町村)から委託を受けた医療機関で接種を受けることになります。このリストは各自治体のホームページ(HP)などに掲載されます。
接種券が送られてくるかどうかは、自治体によって対応が異なります。定期接種として受ける高齢者に「お知らせ」や「問診用紙」が送られてくることが多いようですが、任意接種の場合は、そのような連絡はないでしょう。
新型コロナワクチンの見込み供給量 (厚労省ホームページより)
このように今年の秋からの新型コロナワクチンの接種体制は、自治体により異なりますので、まずは居住している自治体のHPを見て、不明な点があれば電話などでお問い合わせください。
◇どんなワクチンを使うのか
接種ワクチンの種類としては、オミクロン株のJN.1系統を用いたワクチンが使われます。JN.1系統は今夏流行したKP系統の親株で、一世代前のウイルス株ですが、KP系統への抗体も増加することが確認されています。追加接種を受けておけば、重症化を予防する効果は、かなり増強されると考えます。
日本国内ではmRNAワクチンを4社が、組み換えタンパクワクチンを1社が、それぞれ販売しており、どれを使用するかは医療機関によって異なります。接種を受ける場合は医療機関に予約する必要があるので、その時にワクチンの種類を確認しておきましょう。
今年の秋から始まるインフルエンザと新型コロナの予防接種は、今までとは異なる方式になります。特に新型コロナの場合は有料化されるため、ワクチンを受けるメリットとともに、副反応や費用を考えた上で、接種を受けるか否かを決めていただきたいと思います。(了)
濱田客員教授
濱田 篤郎(はまだ・あつお)
東京医科大学病院渡航者医療センター客員教授
1981年東京慈恵会医科大学卒業後、米国Case Western Reserve大学留学。東京慈恵会医科大で熱帯医学教室講師を経て2004年海外勤務健康管理センター所長代理。10年東京医科大学病院渡航者医療センター教授。24年4月より現職。渡航医学に精通し、海外渡航者の健康や感染症史に関する著書多数。新著は「パンデミックを生き抜く 中世ペストに学ぶ新型コロナ対策」(朝日新聞出版)。
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(2024/09/24 05:00)
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