下田照文 医師 (しもだてるふみ)

国立病院機構 福岡病院

福岡県福岡市南区屋形原4-39-1

  • アレルギー科
  • 臨床研究部長

アレルギー科 呼吸器科 内科

専門

アレルギー、呼吸器

下田照文

アレルギーや気管支喘息について、数多くの論文発表や講演を行う。アスピリン喘息・アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)といった重症例のほか、喘息に関連した治験も積極的に取り組む。喘息患者に対しては、症状が出たときに発作治療薬に頼ることは薦めず、長期的に吸入ステロイド薬を使用することで症状が消失してゆくと説く。「治療の目標は、健康な人と変わらない日常生活を送れるようになること。定期的な薬の服用を忘れず、積極的な行動や運動をしてほしい」と呼びかける。

診療内容

気管支喘息とは、気道のアレルギー性炎症性疾患である。診断は症状・病歴・呼吸機能検査・血液検査・アトピー素因・胸部X線写真・胸部CT・気道過敏性の亢進・気道炎症の存在等を参考にして行う。特に、可逆性試験・気道過敏性試験・気道炎症の3つの検査は、客観的な指標として気管支喘息の確定診断に極めて重要である。
治療の第一選択薬は吸入ステロイド薬であり、必要ならば気管支拡張薬を併用する。注射や内服のステロイド薬と異なり、吸入ステロイド薬は全身的副作用の心配がない。 毎日きちんと長期的に吸入することで、発作入院と喘息死のいずれも減少してゆく。なお、治療の際は症状だけではなく、気道炎症と気道過敏性も指標にして吸入を継続することが正常な日常生活を行ううえで重要としている。
呼気一酸化窒素濃度測定気道炎症の評価としては、呼気一酸化窒素濃度測定・呼気凝縮液検査・3%高張食塩水吸入誘発喀痰検査を、気道過敏性試験としてはアセチルコリン吸入試験・中枢及び末梢気道の評価としてインパルスオシロメトリー検査を行う。さらに、コンピュータによる肺音解析装置を使用し、肺音による気道狭窄と気道炎症の評価も行う。これらの検査は慢性咳嗽・咳喘息・COPD(肺気腫)の鑑別診断にも有用。診断だけではなく治療効果の指標にもなることから、下田医師は定期的に検査を行っている。「喘息とは治癒はし難い病気ではあるものの、コントロール可能な病気」と下田医師は語る。コントロールが困難な場合には、1~2週間の教育入院により、吸入療法・ピークフロー測定などを覚えることを薦めている。また、夜間の発作受診時は入院を勧めているが、翌朝症状軽快していれば退院可能である。
さらに「喘息は自己管理が重要な疾患」とも。自宅で毎日朝と夜の2回ピークフローを測定し、喘息日誌に記載すること。1.ピークフロー測定、2.喘息日誌の記載、3.吸入ステロイド薬――これが喘息を最良にコントロールするための、3点セットである。併せて、ダニやペットなどの環境対策も重要。 成人喘息発作の誘因として最も多いのは気道感染(感冒)。疲れ・ストレス・睡眠・飲酒などにも注意が必要である。また、気管支喘息は慢性のアレルギー性炎症性疾患であるため、喘息発作を予防するために長期にわたる継続的な治療が必要である。喘息管理の目標は以下の7つ。
1.運動も含めて健常人と変わらない日常生活が送れる
2.肺機能が正常である
3.夜間や早朝の咳や呼吸困難がなく、十分な夜間睡眠が可能である
4.喘息発作が起こらない
5.喘息死の回避
6.治療薬による副作用がない
7.非可逆的な気道りモデリングへの進展を防ぐ
これらの点が満たされていれば健常人と同じように活動でき、日常生活にもまったく支障をきたさないという。

医師プロフィール

1979年 熊本大学医学部 卒業
1985年 米国南フロリダ大学内科アレルギー部門留学(1年3か月)
1993年 長崎大学医学部第二内科講師
2001年 長崎大学医学部第二内科助教授
2002年 国立療養所南福岡病院臨床研究部長
2004年 国立病院機構福岡病院臨床研究部長(独立行政法人化に伴い病院名変更)