平松祐司 医師 (ひらまつゆうじ)

岡山大学病院

岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1

  • 産婦人科 周産母子センター
  • 教授、科長 センター長

産婦人科 婦人科 がん

専門

周産期医学、産婦人科手術学、婦人科がん

平松祐司

女性の一生涯に関わる幅広い医療を提供する同科を率いる。平松祐司医師がすべての初診患者を診断し、治療方針を決定。周産期、腫瘍、内分泌、女性ヘルスケアの4つの専門外来に分かれるが、中でも女性生殖器腫瘍の診断、治療では国内でもトップクラスの実績を持つ。子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんなど各種腫瘍に対して、手術療法、放射線療法、化学療法(抗がん剤)、ロボット手術などを組み合わせた集学的治療を行っている。難易度の高い巨大・多発性子宮筋腫の核出手術、妊娠中および帝王切開時の子宮筋腫核出術は全国から患者が紹介され手術している。また正確な胎児出生前診断に基づく管理を行うほか、不育症や性同一性障害などの専門外来も設置。胎児心疾患合併妊婦も全国から紹介されてきている。

診療内容

悪性腫瘍(がん)への治療戦略は日進月歩で多様化している。婦人科がんにおいても、同様である。平松医師は「当科では手術療法、化学療法、放射線療法を基本に、毎週全員でカンファレンスを行い、患者さんひとりひとりに最適な治療方針を決定し、悪性腫瘍の根治をめざしています」と話す。
そのうち、子宮がんは子宮の入り口頸部にできる〈子宮頸がん〉と、胎児が宿る体部に生じる〈子宮体がん〉に大別される。どちらのがんも治療の基本は手術であるが「両者は分けて考える必要があります」と平松医師は言う。
子宮頸がんの場合、当科では進行のステージに応じて、手術方法を選択している。「ポイントは妊孕性(妊娠できる可能性)にあります。若年者が発症した場合、妊娠に必要な子宮を残せるかどうかを考慮します」
進行度が0~Ia期の早期がんなら子宮頸部の病変だけを切り取る「子宮頸部円錐切除術」が可能。Ib1期やIIa期でもがんが2センチ以下なら子宮を温存する「広汎性子宮頸部摘出術」。同様の病期で用いられる「広汎子宮全摘術」においても、術後合併症を軽減するため神経を温存するよう留意して手術を行っている。
子宮体がんも手術が中心で、がんの進行度から切除範囲を決めるが、術前に推定される病期に基づいて手術をし、その後病理検査によって最終的な病期を決める。「患者さんの状態やがんの広がりによって、放射線療法、化学療法を追加して行います」と平松医師。Ⅰ期までは単純子宮全摘出術と両側附属器(卵巣・卵管)摘出術を行う。「卵巣は女性ホルモンを分泌するため、切除すると、ほてりなど更年期障害を招きやすい。しかし、子宮体がんの大半は腺がんで、卵巣への転移率が高いため、摘出します」と平松医師は説明する。II期以上に進行すると、病態に応じて、範囲を決定し、子宮全摘出術と同時に卵巣および卵管の切除とリンパ節郭清を行う。III期、IV期でがんを取りきれないと判断したときには、子宮とともにがんをできるだけ取る腫瘍減量術を行う場合もある。妊娠の可能性を残したい人には、がんを殺す働きのある黄体ホルモンを服用する「黄体ホルモン療法」がある。対象は0期やIa期の人となるが「血栓症の副作用があり、よく再発もする」という。いずれにせよ、高度の判断が必要となるので、平松医師は「治療は婦人科腫瘍専門医が揃い、設備の充実した施設で受けるのがよいでしょう」とアドバイスしている。
同院ではさらに低侵襲手術をめざし、子宮体がんに対する腹腔鏡手術やロボットでの広汎子宮全摘術も実施している。婦人科がん治療の他、多数の他院で治療不能と言われた巨大・多発性筋腫をもち子宮温存を希望する患者、大きな筋腫をもった妊婦で筋腫核出術を希望する人、帝王切開時に一緒に筋腫核出術を受けたい患者が全国から集まってきている。

医師プロフィール

1977年3月 岡山大学医学部 卒業
1977年4月 岡山大学医学部産婦人科学教室入局後、広島市民病院、香川県立中央病院で研修
1981年4月~1985年3月 岡山大学医学部大学院
1989年6月 岡山大学医学部附属病院助手
1995年9月 岡山大学医学部附属病院講師
1999年4月 岡山大学医学部助教授
2000年 Harvard Medical School, Joslin Diabetes Center留学
2003年4月 岡山大学大学院医歯学総合研究科助教授(産科・婦人科学)
2005年4月 岡山大学大学院医歯学総合研究科教授(産科・婦人科学)
2007年4月~岡山大学大学院医歯薬学総合研究科教授(産科・婦人科学)