竹田省 医師 (たけださとる)

順天堂大学医学部附属順天堂医院

東京都文京区本郷3-1-3

  • 産科・婦人科
  • 教授、科長

産科 婦人科 産婦人科

専門

周産期、婦人科腫瘍、子宮筋腫、子宮内膜症、子宮がん

竹田省

内視鏡手術手技の高度な専門技術を持った医師で構成されたチームを率い、子宮筋腫、子宮内膜症、子宮腺筋症、卵巣嚢腫等の治療を行っている。巨大筋腫の核出、腸管子宮内膜症、子宮体がんの腹腔鏡手術など「難易度の高い症例」に挑み、成功してきた実績は目覚ましく、腹腔鏡下手術数は日本一と国内外で高い評価を得ている。得意とするのは「カテーテルインターベンション」という止血法を用いた出血の少ない手術。低侵襲、無血手術を目指す。卵巣機能廃絶が予測される女性の卵巣凍結保存および治療後の再移植にも取り組んでいる。

診療内容

子宮筋腫は女性に好発する良性腫瘍だが、発症する部位や大きさ,妊娠の有無などによって難度は大きく異なってくる。竹田医師のチームが積極的に引き受けるのは、巨大筋腫や多発性筋腫、また帝王切開時の筋腫など、難度の高い手術が中心。
「最大で10㎏の子宮筋腫を核出したことがあります。30代女性の子宮頚部に出来たもので、本人は太ったと勘違いしていましたね。患者さんは妊娠を望んでいましたから、子宮摘出せずに核出に成功したのですが、他の大学病院が核出を断念した患者さんでした。こうした手術の場合、重要な問題となるのが大出血です。我々は出血を止めるスペシャリストだからこそ、可能だった手術と言えます」

竹田医師らが得意とする止血法は「カテーテルインターベンション」。血管内に風船を入れて膨らませることで出血を止める。
「婦人科では、やっているところは少なく、交通外傷など大量出血時の止血技術です。血流を遮断し、出血が少なく子宮摘出せずに済む。通常は、開腹しても大出血をきたし、大量輸血や子宮摘出となることもあります」

腸管壁や表面に内膜症ができる難病、腸管子宮内膜症の手術も、内視鏡チームでは行う。直腸が狭くなって、月経時に耐えがたい痛みと血便がでるこの病気は、一般的には、腸を切って診断することが多いが、低侵襲なMRIゼリー法、注腸造影、コロンファイバーによって発見し、腹腔鏡下直腸低位前方切除術やホルモン療法などで治療する。
さらに、内視鏡による治療は、不妊治療でも大きな威力を発揮する。たとえば炎症によって卵管の内部がつまり精子や受精卵の輸送ができなくなってしまう卵管閉塞には、卵管鏡下卵管形成術が有効だ。卵管閉塞は、卵管の周りの癒着などを伴うことが多いため、腹腔鏡で観察しながら行うことで、精度も安全性も高まるのだ。化学療法または放射線療法による卵巣機能廃絶が予測される女性の卵巣凍結保存および治療後の再移植にも取り組んでいる。
妊娠可能年齢の女性にとって、悪性腫瘍や血液疾患により大量化学療法や放射線療法を受ける場合、生殖機能の廃絶(女性ホルモン分泌停止と卵子の死滅)が危惧される。そのため、これまでは女性ホルモンを投与するホルモン補充療法が行われてきたが、最新の凍結技術を導入し、原疾患の治療医との円滑な連携により、化学療法などの前に卵巣を摘出し、そこから卵子と卵巣組織を採取・凍結保存し、健康回復後に再移植するという治療を行っているのだ。
「この方法は、卵巣機能を回復させ、女性ホルモンの分泌によって月経再開と移植組織内の卵子による自然妊娠も期待できる画期的な治療法です。しかも腹腔鏡下で卵巣摘出を行う、大変低侵襲性な方法なので、原疾患の治療開始までのタイムロスや癒着を最小限に抑え、将来の妊娠に備えられます」

医師プロフィール

1976年 順天堂大学医学部卒、同大麻酔科学教室に入局
1978年 東京大学医学部産科婦人科学教室に入局
1985年 埼玉医科大学総合医療センター産婦人科講師
1990年 同総合医療センター産婦人科助教授
1992年 ロンドン大学(現インペリアル大学)ハマースミス病院 (research fellow)
1999年 埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センター教授
2001年 同総合医療センター産婦人科教授
2002年 同総合周産期母子医療センター副センター長
2007年 順天堂大学医学部産婦人科学講座教授、埼玉医科大学総合医療センター産婦人科客員教授
現在に至る