福土審 医師 (ふくどしん)

東北大学病院

宮城県仙台市青葉区星陵町1-1

  • 心療内科
  • 科長

心療内科 内科

専門

過敏性腸症候群

福土審

過敏性腸症候群を心療内科の立場から脳と腸の関係を研究し、治療に取り組んでいる第一人者。主な治療法は、最新の脳科学と臨床薬理学に基づく薬物療法、自律訓練法、認知行動療法など。なかでも東北大が独自に開発した絶食療法は、心理療法を併用することにより、持続的な効果が期待できるという。研究への評価は高く、文部科学大臣表彰科学技術賞(研究部門)、アメリカ消化器病学会マスターズ賞を受賞したほか、アメリカ心身医学会の Early Career Awardを、米国外の医師として初めて受賞した。

診療内容

福土医師率いる東北大学心療内科の医療の特徴は次のようなことが挙げられる。
1.一般的な消化器の検査法のみならず、消化管の働きや知覚をとらえる特殊検査の技法を豊富に持っており、ストレスに関連した消化管機能、脳機能の診療・研究が国際的に高く評価されている。そうした生理学的検査の結果を踏まえて治療を行っている。
2.ストレスは自律神経系や内分泌系を介して、からだの働きに影響を及ぼす。これらの自律神経機能やホルモン測定の結果に基づいた病態の評価、治療を行う。
3.心身医学療法(自律訓練法など)、認知行動療法、絶食療法など、チーム医療のメリットを活かした、きめ細やかな集学的医療を実践している。
過敏性腸症候群に対しては、消化管内圧測定、胃電図、バロスタット、マーカー消化管通過時間測定、脳機能画像、遺伝子多型分析、バイオマーカー、計量心理学的評価など、国内で最も充実した評価システムを用いて評価と診断を行っている。治療は、最新の脳科学と臨床薬理学に基づく薬物療法。併せて、心身医学療法として自律訓練法、交流分析法など認知行動療法も実施しているほか、同大心療内科が開発した心身をリフレッシュする治療法である絶食療法も行っている。これは絶食を10日間行うことにより、ケトン栄養になってβヒドロキシ酪酸が増加し、それとともに前頭部脳波αパワーが増大し、陽性情動が生じる。この時期に心理療法を併用することにより、持続的認知行動変容に導くという。
これらの診療実績と研究によって、福土医師ら東北大学心療内科は、世界的に高い評価を得ている。
福土医師は「疾患」を扱うというよりも「病をもった人間」を[こころ]と[からだ]の両面から全体的にとらえ、より質の高い生活を支援していくことを心がけている。
ストレスによる身体の変調である「心身症」に苦しむ患者を主な診療の対象とするのが心療内科。心療内科で扱う「心身症」とは、広い意味の内科疾患「からだ」の病気を指し「こころ」だけの病とは異なる。心療内科での最も適した治療対象は、心理社会的ストレスが「からだ」の病気を惹き起こす原因の一部をなしていたり(例:過敏性腸症候群)、病態を悪化させたりする要因となっている疾患(例:高血圧症)だ。「カウンセリング」主体の治療は心療内科の専門性とは異なる。
東北大学心療内科は、1975年(文部省に心療内科認可、科の源流は1968年昭和43年)、九州大学に次いで日本で2番に開設された。発足時から1990年まで、国内外の心身医療および心身医学研究の推進者として活躍を続け鈴木仁一教授の業績のひとつに世界的に独創的な絶食療法がある。また、1996年から2011年まで科長として心療内科を率いた本郷道夫教授は、消化管機能の専門の立場から、消化管機能障害を中心に科を大いに発展させた。
そして福土審医師は、鈴木のもとで育ち、本郷の片腕として活躍し、2011年より、東北大学病院心療内科長となり、現在に至っている。
同診療科が、過敏性腸症候群のような消化管機能障害に強いのは、そうした土壌によるもの。福土医師は現在、本邦における過敏性腸症候群の第一人者だ。国際的にも、過敏性腸症候群とその類縁疾患の診断基準を決め、治療や最先端の研究をまとめる国際委員会であるローマ委員会の委員を務めている。

医師プロフィール

1983年 東北大学医学部医学科卒業
1987年 東北大学医学部附属病院心療内科助手、デュ-ク大学医学部研究員
1990年 医学博士
1997年 東北大学心療内科講師
1998年 東北大学心療内科助教授
1999年 東北大学大学院医学系研究科教授
現在に至る

「過敏性腸症候群」を専門とする医師