口内炎・舌の異常 家庭の医学

 舌の表面に苔(こけ)がつくと、胃がわるいとよくいわれます。多くはあまり関係がありませんが、なかには慢性胃炎と関連がある場合もありますので、症状が続くときは内視鏡検査を受ける必要があります。
 舌の痛みがある場合は、精神的ストレス、ビタミンB12や鉄分などの栄養素の不足、むし歯や歯周病、薬の副作用などが原因となることがあります。
 口腔内の粘膜が赤くなったり、はれたり、痛んだりする場合があります。原因はさまざまで、感染性(ウイルスや細菌、カビなど)、薬剤性、アレルギー性、物理的・化学的刺激によるもの(入れ歯やたばこなど)などです。反復する口内炎に外陰部潰瘍などを伴う場合は、ベーチェット病などの全身の膠原(こうげん)病が疑われます。
 口の中を清潔に保ち、うがい薬などによってうがいをし、口腔用ステロイド薬の軟膏(なんこう)を口内炎のアフタ(潰瘍)に塗ったりします。補助的にビタミン薬をのむとよいこともあります。たばこを控え、歯(特に入れ歯など)の具合をチェックすることも大切です。入れ歯などが舌に当たって刺激になる状態が続くと、舌がんになることがあります。

(執筆・監修:国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院 名誉院長 大西 真)