原発性硬化性胆管炎〔げんぱつせいこうかせいたんかんえん〕

 肝臓内外の太い胆管に、狭窄(きょうさく)や拡張が起こり、数珠(じゅず)状になる病気です。免疫や腸内細菌の異常によって発症すると推定されますが、その原因はあきらかでありません。
 若年から高齢の男女ともに発症します。ALT、γ-GTP、LAPなどの胆道系酵素が高値であることで発見されますが、腸内細菌による化膿性の胆管炎を併発して、腹痛、発熱などで発症する場合もあります。化膿性の胆管炎をくり返すと肝硬変に進展し、食道胃静脈瘤を併発します。確定診断には、MRIやERCPをおこなって、胆管の特徴的な変化があるかどうかを確認します。肝生検をおこなう場合もあります。
 この病気には有効な治療法はありません。しかし、ウルソデオキシコール酸を内服して、胆汁の流れをよくすることで、化膿性胆管炎の併発を抑制すると、肝硬変への進展を遅らせることができます。肝機能が悪化したり、化膿性胆管炎や食道胃静脈瘤の治療が難渋する場合は、肝移植の適応になります。ただし、原発性硬化性胆管炎の患者さんは、生体肝移植後に再発することが多く、脳死肝移植をおこなうのが望ましいとされています。原発性硬化性胆管炎は難病医療費助成制度の対象疾病(指定難病)で、医療費の公費負担対象になっています。
 なお、原発性硬化性胆管炎と似た病気に、IgG4陽性胆管炎があります。IgG4という免疫グロブリンが肝内外の胆管に集まってきて、炎症を起こす病気です。胆管の狭窄、拡張がみられますが、生検で診断を確定し、副腎皮質ステロイドを投与すると軽快します。