排泄の発達と問題 家庭の医学

■排尿のしつけ
1.1歳をすぎたら
 排尿間隔がどれくらいあいているかを、ときどきおむつをさわって確認してください。2時間以上あくようになっていたら、次に進みましょう。
2.トイレトレーニング
 オマルでもトイレでも、どちらでも子どもがいやがらずに座る方法で、2時間くらいあいたとき、子どもが遊びに夢中でないときをねらって、掛けさせます。出なくとも腰掛けたことでほめてあげます。たまたま出たら、出たおしっこを見せてあげて、「チイ(シイ)出たねぇ、よかったね」と対応してあげます。
 タイミングはなかなかあいませんので、空振りのくり返しでけっこうです。トイレから戻ったとたんに、床にしてしまうことも多いでしょう。トイレでは慣れないのでがまんしていて、終わったとたんに、というわけです。ここは辛抱してしからずに、やはり、おしっこを指して、「出たねぇ」と出たおしっこを見せてあげましょう。
3.おむつをはずすタイミング
 これはけっこうむずかしいのです。トイレ、またはオマルでおおかた成功するようになったら、昼間はおむつがはずれます。しかし、何回も床にしたり、失敗をくり返します。失敗されたくない、汚されたくないと思う気持ちが強いと、イライラしますから、むりにはずさないほうがよいでしょう。おむつをはずすのが早いと、子どもは漏らした感覚を覚えるために、早くトレーニングができますが、この時期は、掃除や洗濯の手間、親の気質などの状況を考えて、決めてください。どう決めようと、結局は成功するのですから、あまり大げさに考えずに、やりやすそうな時期を選べばよいでしょう。
 2歳前後でトレーニングを開始すると、3~5カ月くらいでおむつがはずれますが、個人差が大きいので、ようすを見ながら、あせらず、時期がくるのをまつのが大切です。

■排便のしつけ
 排尿よりも回数が少ないことと、排便の自覚が明確なこととで、排尿のしつけよりも簡単ですが、3~4歳で約70%の子どもが排便の自立をします。ここでも、あせらずが基本です。あまり真剣になりすぎずに、できたらいいな、くらいの気持ちが大事です。

(執筆・監修:自治医科大学 名誉教授 桃井 眞里子)
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