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診療控え持病悪化 
コロナ、がん早期検診にも影響

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の2月の流行本格化以降、持病の経過観察などのため医療機関の受診を控えてきた人も少なくない。薬などはオンラインの遠隔診療で処方を受けることが可能になったが、病状の変化などはなかなか対応しきれない面もある。またがんのような進行性の病気は早期の治療が必要だが、受診抑制や手術件数の減少で手術が遅れてしまう問題や、検診を受けられずに発見が遅れる危険性も指摘されている。

待合室や受付では受診者同士の感染が心配された=慈恵医大晴海トリトンクリニック提供

 ◇腎臓にダメージ

 「新型コロナウイルス感染症は肺だけでなく、全身の血管を障害させることにより多くの臓器を傷害させることが明らかになってきた」

 慈恵医大晴海トリトンクリニック(東京都中央区)所長で患者の行動変容に詳しい横山啓太郎同大教授(腎臓高血圧内科)は、これまでの経緯を振り返った上でこう話す。

 「腎臓も、新型コロナ感染症によって障害を受ける代表的な臓器だ。慢性腎臓病は新型コロナ感染症で重症化するといわれる高血圧や糖尿病を合併している比率が高いので、注意が必要だ。透析患者は、週3回、同じ空間に4~5時間は滞在するため、感染リスクが高いが、人工透析は中断もできない。実際に院内感染の発生が報告されていた」

 ◇高齢者の熱中症

 横山教授はさらに、「暑くなるにつれて、課題は増えてくる」と指摘する。脱水状態に気を付けなければならない。慢性腎臓病患者は腎機能が低下し、水分摂取が制限されると、熱中症のリスクが高くなるからだ。

横山啓太郎教授

 マスクを着けていると喉の渇きを感じにくくなり、水分を小まめに補給しなくなりやすい。感染に注意しながらの水分補給が大切だ。とにかく、現在の自分の病状を把握してもらう必要があり、このためにはかかり付け医の診察を受けなければならない。

 高齢者の熱中症は外よりも自宅で起きることが特徴の一つだ。新型コロナウイルスによって高齢者が自宅にとどまる機会が増えた。一方、現役世代はこれを機会に健康リテラシーを上げる必要がある。

 「現役世代は、新型ウイルスの感染拡大で自宅待機が呼び掛けられているので、自覚していないが通勤の際の活動量が低下している。スポーツジムへ通うなどの習慣が失われている心配もある。通勤は知らず知らずに行っていた運動習慣であることも忘れてはならない」と横山教授は指摘する。

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