こちら診察室 女性医療現場のリアル〜悩める患者と向き合い、共に成長する日々〜

「ピル飲むと太る」って本当?
~婦人科医が教えるうわさの真相~

 ◇知っておきたい副作用

 どんな薬にも副作用はあります。ピルでは頭痛吐き気嘔吐(おうと)、乳房の張り、不正出血、気分のむら、むくみ下痢便秘などがよく見られます。

 これらの症状は服用開始から3カ月程度で落ち着くことが多いですが、あまりにもつらい場合は我慢せずに相談してください。ピルにはさまざまな種類があり、体質との相性もあります。種類を変更すれば症状が緩和するケースもよくあります。

 まれに血栓症という重篤な副作用が起こる場合もありますが、喫煙者や35歳以上、高血圧などのリスク因子がある方を除けば、発症リスクは非常に低いです。

 ◇自分に合ったピル見つけるために

 最近はオンライン診療でも低用量ピルを処方する医療機関が増えています。手軽に入手できる一方で、「悩みを相談できない」という声も聞かれます。

 ピルは単なる避妊薬ではなく、女性の健康を総合的にサポートする薬です。自分の体調や生活スタイル、将来設計に合わせて最適なものを選ぶことが大切です。

 「今の症状は副作用?」「この種類で合っている?」など、不安や疑問があれば、ぜひ婦人科医に相談してください。あなたの生活の質を高めるパートナーとして、ピルを上手に活用していきましょう。(了)

沢岻美奈子院長

沢岻美奈子院長

沢岻美奈子(たくし・みなこ)
 琉球大学医学部を卒業後、産婦人科医として25年以上の経歴を持つ。2013年1月、神戸市に女性スタッフだけで乳がん検診を行う沢岻美奈子女性医療クリニックを開院。院長として、乳がんにとどまらず、女性特有の病気の早期発見のための検診を数多く手掛ける。女性のヘルスリテラシー向上に向け、インスタグラムやポッドキャスト番組「女性と更年期の話」で、診察室での患者とのリアルなやりとりに基づいたストーリーを伝えている。
 日本産科婦人科学会専門医、女性医学学会認定医、マンモグラフィー読影認定医、乳腺超音波認定医、オーソモレキュラー認定医。漢方茶マイスター。

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