小林浩 医師 (こばやしひろし)

奈良県立医科大学附属病院

奈良県橿原市四条町840

  • 産婦人科
  • 教授

産科 婦人科 産婦人科

専門

子宮内膜症、子宮筋腫他

小林浩

ハイリスク妊婦の出産など緊急性や難易度の高い治療を含め、圧倒的な症例数と質をベースに多くの患者と向き合ってきた小林浩医師。子宮内膜症・子宮筋腫といった良性疾患の治療にも定評があり、手術治療では患者への負担が少ない腹腔鏡下手術を積極的に取り入れる。また、最先端医療の提供には良医の育成こそが使命と考え、教育や研究にも尽力。女性の生涯に渡る良きパートナーとして医療を通じた支援に全力で臨みながら、今後の産婦人科医療の将来を真摯に見つめる名医である。
小林医師は、次のように語っている。「私のモットーは10年後、20年後の産婦人科医療のスタンダードを描く医学博士と専門医を養成することです。さまざまな見識を兼ね備えた良医の育成が私の使命と考えています」

●臨床・教育…当大学産婦人科は、奈良県はもちろん、近畿地区屈指の産科・周産期・新生児医療機関として質の高い医療を提供しています。ハイリスク妊婦の出産など緊急性や難易度の高い治療を含め、圧倒的な症例数と質をベースに多くの患者と向き合ってきました。子宮内膜症・子宮筋腫といった良性疾患の治療も積極的に行っています、手術治療では患者への負担が少ない腹腔鏡下手術を積極的に取り入れております。また、最先端医療の提供には良医の育成こそが使命と考え、教育や研究にも積極的に関与しています。さらに、わが国の産婦人科医療を担う専門医や医学博士の育成にも力を入れており、医学部学生から初期研修医、後期研修医、専門医、サブスペシャリティ養成まで切れ目のない産婦人科養成プログラムを実施しています。研修コースの中には、女性医師が結婚後も継続勤務ができる支援コースや、妊娠・出産しリタイアした後も簡単に職場復帰できる支援コースを設けるなど、一人ひとりのライフステージに合ったキャリアアップ支援体制を整えています。女性の生涯に渡る良きパートナーとして医療を通じた支援に全力で臨みながら、今後の産婦人科医療の将来を真摯に見つめております。

主な研究内容
●周産期医療…1.妊婦見守りヘルスケアシステムの整備のための産学官連携を行っています。妊婦のお腹に生体情報モニター内蔵腹帯を巻くことにより無拘束、無侵襲で胎児の心拍数や妊婦の子宮収縮を記録し、無線で電子母子手帳に、そしてインターネットを介して大学病院のサーバーにその情報を送るシステムを研究しています。現在そのプロトタイプを作成し実証実験を行っています。2.妊娠高血圧症候群の病態解明のために脂肪組織におけるアディポサイトカインの発現意義と病態への関与を研究しています。3.早産治療薬の開発を行っています。4.早産と妊婦膣内環境の関係を生化学的・分子生物学的に研究しています。
●婦人科腫瘍…1.婦人科がん、特に卵巣がんの発がん機序の解明を行っており、11万人の臨床検体(血液など)をすべてバンキングセンターに保管しています。遺伝子導入やノックアウト実験はルーチンワークで可能です。2.ビクニンというがん転移抑制薬を開発し臨床研究を行い、進行卵巣がんの予後を改善しています。

診療内容

子宮内膜症の確定診断は、まずは問診所見や臨床検査さらに画像評価を組み合わせるなどの臨床的手段によりなされる。(臨床的子宮内膜症)
問診では、月経困難症・腰痛・下腹部痛・性交痛・過多月経などの臨床症状の有無を確認。内診所見では圧痛を伴う硬結、子宮の移動性の制限ならびに疼痛、癒着による子宮後屈などを診断する。画像診断では、経腟超音波断層法や有用であり、卵巣チョコレート嚢胞なども確認できる。MRIも骨盤内の病変の評価に有用とされている。治療は、薬物療法や手術療法、あるいはそれらを組合せて行う。薬物療法は、症状を緩和する目的で行う対症療法と、子宮内膜症組織そのものをターゲットとするホルモン療法に分かれる。手術療法には根治手術と保存手術がある。根治手術は病変をおこした子宮や卵巣を全て摘出、保存手術は病変だけを取り除き子宮や卵巣を温存する手術。挙児希望がある患者は当然、保存手術を選択する。子宮内膜症からは0.7%の頻度でがんが発生する。私はこの発がん機序を解明し、臨床的に癌化を見つけるコツを発信している。
一方、子宮筋腫は、女性生殖器腫瘍のなかでも最も頻度の高い良性疾患である。悪性腫瘍である子宮肉腫と鑑別が必要となるが、血液生化学的検査及びMRIを用いた画像診断などにより、確認。悪性が否定される場合には、症状や年齢・挙児希望の有無などふまえ、患者のニーズにあった治療法を選択していく。治療法は大きく分けて、手術治療と非手術治療(薬物療法、その他の治療)に分かれる。手術治療は、子宮を摘出する方法と筋腫核のみを摘出して正常な子宮を残して妊娠する能力(妊孕性)を温存する方法がある。さらに子宮摘出の方法は腹式だけでなく、侵襲が少なく術後の回復も早い膣式あるいは腹腔鏡の併用などを積極的に行っている。薬物治療では、消炎鎮痛剤や鉄欠乏性貧血に対する鉄剤投与などで症状を緩和する治療や、女性ホルモンのレベルを閉経後の状態まで下げ筋腫の縮小を期待する方法などがある。これらは、数ヶ月後に計画した手術と組み合わせて施行する場合も多い。最近ではlow-dose estrogen progestin 配合薬(LEP)を積極的に使用している。

医師プロフィール

1980年4月 浜松医科大学医学部附属病院(産科婦人科)臨床見学生
1980年6月 浜松医科大学産科婦人科医員(研修医)
1980年11月  県西部浜松医療センター医師
1982年7月 浜松医科大学医学部附属病院産科婦人科医員
1985年2月 浜松医科大学医学部附属病院産科婦人科助手
1987年7月 浜松北病院産婦人科医長
1989年6月 浜松医科大学医学部附属病院産科婦人科助手
1989年9月 ドイツミュンヘン科学技術大学留学(~1991)
2003年10月 浜松医科大学医学部附属病院産科婦人科助教授
2005年6月 奈良県立医科大学産婦人科教授