大薗恵一 医師 (おおぞのけいいち)

大阪大学医学部附属病院

大阪府吹田市山田丘2-15

  • 小児科
  • 診療科長、教授

小児科 内分泌科・糖尿病 内科

専門

骨カルシウム疾患・内分泌疾患、低フォスファターゼ症(全身の骨・軟骨に異常がみられる骨系統疾患)

大薗恵一

大薗恵一医師が診療科長として主宰する大阪大学医学部附属病院小児科は、腎・骨代謝、内分泌、血液腫瘍・免疫、神経代謝・臨床遺伝、発達障害・睡眠、臨床神経、栄養発育、循環器、臨床ウイルス、新生児の10個のグループによる専門外来を特色としている。骨カルシウム疾患・内分泌疾患を専門とする大薗医師は、まだ根本治療法が見つかっていない「低フォスファターゼ症」研究の第一人者であり、全国各地の医師から構成される研究班の中心的存在として治療法確立に情熱を燃やしている。
「身長が低い、高いなどの悩みがありましたらご相談ください。おとなと違って、子どもたちは毎日大きくなります。大きくなるということは、身長や体重が増えていくことを意味し、これを成長と呼びます。これに対して、立ったり、歩いたり、話したりなど、いろいろなことができるようになることを発達といいます。こどもの身体が成長していくのは、主として脚や背骨などの骨が大きくなるからです。もちろん、皮下組織や筋肉、心臓等の臓器も大きくなります。身長は個性の一つであります。皆が同じ身長である必要は全くありません。多少背が低くても、元気で生き生きと生活できていれば、その子をそのまま受け入れてあげる必要があります。しかし、背が低い子の中には病気が隠されている場合があり、治療を受ける必要のある子がいます。また、背が高い事は成長が早いだけと思われている場合がありますが、側弯などの骨格異常を伴う場合もあり、病気が隠されている場合もあります。実際、不安な点をお持ちの方はかかりつけ医を通じてご紹介していただく事をお勧めします」と大薗医師は言う。

診療内容

低フォスファターゼ症について…骨の石灰化(骨の形成過程に関する)などに関係する組織非特異的アルカリフォスファターゼ(TNSALP)という酵素(通常ALPと呼ばれています)が、生まれつき体内で作られなかったり少なかったりするために、骨代謝に異常が出る遺伝性の疾患である。発症時期により、症状や重篤度には大きな幅があり(周産期型・乳児型・小児型・成人型など)、さらに各々が、死に至るケースも少なくない劣性遺伝(両親から両方を受け継ぐ)と、良性型の優性遺伝(片方の親から受け継ぐ)に分類される。
早期に発症するほど重症で致死率が高いとされ、周産期ではほぼ生存が困難・乳児期では半数が致死と言われている。しかし、私たちは周産期にうまれても軽症な例があることを報告し、あらたなタイプとして認知された。生存できたとしても、重度の呼吸器障害、骨の成長不良、変形、骨折、骨痛、低身長など様々な症状を抱えていく。しかし中には、骨には症状がなく、歯のみに異常が出る比較的軽いタイプもある。しかし、乳歯の早期脱落は患者様のQOLの低下に関係する。いずれにしても、これらの症状は、他の疾病との区別が難しいとされているため、画像診断や血液・尿検査等により慎重な見極めが必要となる。現在、確実に効果のある治療法はない。他の骨疾患によくある「ビタミンD欠乏」が原因ではないため、ビタミンD投与は避け、重症型における痙攣にはまずビタミン B6の投与を試みる。
乳児型ではしばしば高カルシウム血症がみられるが、これに対しては、低カルシウムミルクを使用。
乳児型に対する骨髄移植も報告されているが、まだ一般的な治療法とはなっていないため、今後は「ALP酵素補充療法」が行われる可能性が高い。さらに、遺伝子治療等の研究も進められている。

医師プロフィール

1982年 大阪大学医学部 卒業
1982年 大阪大学医学部付属病院医員(研修医)として勤務
1983年 済生会富田林病院医員として勤務
1987年 大阪大学医学部付属病院医員として勤務
1989年 Baylor College of Medicine, Research Associateとして勤務
1992年 大阪大学医学部付属病院医員として勤務
1992年 大阪府立母子保健総合医療センター検査科診療主任として勤務
1994年 大阪府立母子保健総合医療センター研究所環境影響部門部長に就任
2002年2月 大阪大学大学院医学系研究科生体統合医学小児発達医学講座教授
2005年4月 改組により、大阪大学大学院医学系研究科情報統合医学小児科学講座教授