古森公浩 医師 (こもりきみひろ)

名古屋大学医学部附属病院

愛知県名古屋市昭和区鶴舞町65

  • 血管外科
  • 教授 科長

外科 血管外科

専門

血管外科学 大動脈瘤 閉塞性動脈硬化症

古森公浩

古森公浩医師の専門は、大動脈瘤に対する外科治療とステントグラフト内挿術(EVAR)である。EVARとは太ももの付け根の動脈からカテーテルを入れエックス線で撮影をしながら患部に移動させるという繊細な技術とテクニックが必要とされる。古森医師はこの治療法のエキスパートである。2006年ステントグラフト実施基準管理委員会が組織され腹部と胸部についてそれぞれ治療施設の設備、外科の協力態勢、実施医の研修義務、指導医の使用経験などの基準を定めた。古森医師は、胸部・ 腹部ともに大動脈瘤ステントグラフトの指導医でもある。毎朝7時には出勤し、病棟回診、外来、医局のカンファレンス、学生教育など多忙な中、自らも毎週、手術を執刀している。

診療内容

近年、高齢化ならびに糖尿病の増加などにより、血管外科医が取り扱う動脈硬化性疾患"閉塞性動脈硬化症(PAD)"や"動脈瘤"が増加傾向にある。同院血管外科では、血管疾患全般の診断から治療まで幅広く対象としており、胸部・腹部大動脈瘤の治療については、年間約190例(2013年)の実績がある。日本でも有数の症例数で中部地方ではトップクラスである。早くより大動脈瘤に対しステントグラフト内挿術を導入し積極的に行っている。また、高齢者の足の血流が滞り、悪化すると壊死(えし)につながる閉塞性動脈硬化症の患者も増えてきており、足関節までのdistalバイパス術はもちろん、血管内治療および骨髄細胞を自家移植して血管を新生し、血流を促進する臨床研究にも取り組んでいる。
大動脈瘤は、動脈硬化が主な要因であり50歳を過ぎた頃から男女共に増加傾向にあるが、男性の発症は女性にくべて5倍ほど高い。また、両親のいずれかが腹部大動脈瘤(AAA)だと、その子供もAAAを発症する確率は15~20%と遺伝的要因も影響すると考えられる。「AAAの破裂から自分を救うのは、早期発見と早期治療しかありません。破裂する前に瘤(こぶ)を見つけて手術をしましょう」と古森医師はアドバイスする。
以前は全て開腹手術で10日以上の入院が必要だったが、ステントグラフト内挿術は、開腹せずに、足の付け根の動脈からカテーテルを挿入する方法で、術後3~4日と短い入院となり身体の負担が少ない身体に優しい手術である。瘤の内側に新しく血液の通り道を作り、血液は新しい血管を流れ瘤は血栓化し破れなくなる。「この治療法だと、体力の落ちた高齢者でも可能で、退院後の日常生活に制限は特になく年1回の検査を受けるだけです」(古森医師)。
同科ではこれまでに約400例近くの多数の症例を経験し、現在ではAAA治療の約60-65%を内挿術が占め経過も良好である。

医師プロフィール

1982年 九州大学医学部 卒業 、九州大学医学部第二外科入局
1984年 九州大学大学院医学研究科入学
1987年 7月 米国メイヨークリニックに留学
1990年 九州大学医学部附属病院助手(第二外科)
1997年 九州大学第二外科医局長
1998年 6月 九州大学医学部附属病院講師(第二外科)
2001年 8月 九州大学大学院消化器・総合外科学(第二外科)助教授
2002年 名古屋大学大学院医学系研究科機能構築医学専攻、病態外科学講座血管外科学分野(旧第一外科)教授
現在に至る