中村正人 医師 (なかむらまさと)

東邦大学医療センター大橋病院

東京都目黒区大橋2-17-6

  • 循環器内科
  • 循環器疾患低侵襲治療学講座(寄付講座)教授

循環器科 内科

専門

循環器病学、虚血性心疾患、冠動脈インタ-ベンション、末梢インターベンション

中村正人

中村医師は、狭心症や心筋梗塞をはじめとする虚血性心疾患への冠動脈インターベンションなど、血行再建を専門としている。それと合わせて、加齢によって増加する「下肢閉塞性動脈硬化症(*1)」などの末梢動脈の病変についても診療してきた。
「近年、心筋梗塞などの心疾患は横ばいか、やや減少傾向にあります。高齢者が増えているので患者の絶対数は増えていますが、年齢で補正して考えると頻度は若干下がってきています。コレステロール値を下げようという啓蒙が進み、効果の高い薬剤が出てきたことも影響しているのでしょう。しかし、下肢閉塞性動脈硬化症は加齢に伴って右肩上がりに増加しています」(中村医師)
下肢閉塞性動脈硬化症のある患者は、この病気自体によって亡くなる可能性より、心筋梗塞や脳卒中によって死亡する可能性のほうが高い。そのため、治療においてはコレステロールや血圧、血糖などの値を下げることを第一とし、その上で間欠性跛行がある場合には薬物療法と並行して運動療法を行う。
「下肢虚血が進んだ場合には、カテーテル治療やバイパス術などの血行再建術も行います。しかし、血行再建術によって血行が良くなれば長く生きられるかというと、そういうデータがあるわけではありません。あくまでも心筋梗塞や脳卒中を予防する治療を行うのが前提で、その上で間欠性跛行があればその治療も行うのが基本です。跛行に対しては治療薬を使いつつ、『とにかく歩く』ことで歩行距離を少しずつ伸ばしていただきます」(中村医師)
中村医師は循環器内科医の教育にも注力する。末梢血管に対する治療技術や研究、開発、教育の発表の場である「Japan Endovascular Treatment Conference」(JET)では代表理事を務め、自らライブデモンストレーションを実施する機会もあるという。見て学ぶ機会を若手医師に提供し、臨床経験を積みながらリサーチマインドも忘れないよう指導している。

*1下肢閉塞性動脈硬化症とは、動脈硬化が、脚に現れること。動脈硬化とは、動脈が狭くなったり詰まったりして血液が流れにくくなった状態のこと。

診療を受けるには

初診時、他の医療機関からの「紹介状」があれば持参する。紹介状がない場合、初診料の他に初診時選定療養費が必要となる。

医師プロフィール

1982年3月 東邦大学医学部卒業
1984年6月 東邦大学医学部内科学第三講座研究生
1985年4月 東京大学医学部内科学第一講座出向(研究生)
1986年7月 東邦大学医学部内科学第三講座
1988年7月 三井記念病院出向(内科医員)
1990年7月 東邦大学医学部内科学第三講座 助手
1982年4月 医学博士取得
1994年6月 Cedars-Sinai Medical Center(Los Angeles, USA) 留学
1996年5月 東邦大学医学部内科学第三講座 助手
1997年10月  東邦大学医学部内科学第三講座 講師
2006年6月 東邦大学医学部医学科内科学講座(大橋) 准教授
2009年 東邦大学医学部医学科内科学講座(大橋) 教授

所属学会

日本循環器学会 評議委員、日本心血管インターベンション治療学会 前理事長、日本心臓病学会 評議員、日本脈管学会 評議員、日本血管内視鏡学会 理事、日本冠疾患学会 理事、心血管画像動態学会 理事長、TOPICコースディレクター
Japan Endovascular Treatment Conference(JET)代表理事、コースディレクター

主な著書

『完全図解 心臓病のすべて』(主婦の友社 2019年)
『Endovascular therapy―エキスパートはこう考える(心血管インターベンションエキスパート 3)』(メジカルビュー社 2012年)
『図解でわかる心臓病 世界一の心臓病最新治療が手に取るようによくわかる』(主婦の友社 2011年)
『あなたも名医!知っておきたい閉塞性動脈硬化症』(日本醫事新報社  2011年)
『成功に導くPCI治療戦略 (日本語) 単行本』(南江堂 2011年)
『カテーテルキーワードindex』(メジカルビュー社 2009年)

医師発信欄

中村正人先生のウェブサイト:http://www.e-oishasan.net/site/nakamura/
(更新日:2023年12月12日)

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