樋上哲哉 医師 (ひがみてつや)

神戸徳洲会病院

兵庫県神戸市垂水区上高丸1-3-10

  • 心臓血管外科
  • 病院長
  • センター長

心臓血管外科 外科

専門

心拍動下冠動脈バイパス術(OPCAB)、僧帽弁形成術(自己弁温存術)、大動脈弁置換術、大動脈弁形成術、選択的脳保護下弓部全置換術、ステントグラフトによる胸部大動脈置換術、自己心膜再生、心筋再生、小口径動脈再生など

樋上哲哉

樋上哲哉医師は、冠動脈バイパス手術を飛躍的に進化させたといわれる超音波メスによる内胸動脈採取法の開発者で、これまでに6,000例以上の心臓外科手術をおこなっている。虚血性心疾患だけではなく、弁疾患、大動脈疾患など守備範囲は広く、どの領域でも堅実な成績を残しており、その信頼は厚い。樋上哲哉医師の信条である「医療は患者さんのためのみにある」は、今やこれまで要職を歴任して来た神戸大学,島根大学,札幌医科大学系の心臓血管外科医に染み込み、人間味のあるチーム医療の実践につながっている。
現在は、神戸徳洲会病院の病院長となり、心臓血管外科で診察を行うと共に、他病院で手術を受ける患者さんに対しても「治療には多数の方法がありbestな治療法を見つけ後悔の残らないために」安心して治療が出来るようにとセカンドオピニオンも行っている。

診療内容

樋上医師が超音波メスによる内胸動脈採取法を開発したのは1998年のこと。当初は周囲も懐疑的な評価しかしてくれなかったが、成績を上げていくにつれてその評価が変わってきたという。もともと内胸動脈が術後も血管が詰まりにくい「よいグラフト」であることはわかっていたが、血管を胸骨からはがすのに高度な技術が必要だった。だから使えるとしても1本とるのが限界だったのだ。しかし樋上医師の開発した手法では、超音波メスを使って安全になおかつスピーディーに左右2本の内胸動脈をはがすことができるようになった。これにより術後に血管が詰まってしまう率が格段に下がった。現在では国内でおこなわれる冠動脈バイパス術の8割が樋上医師の手法を取り入れている。
「従来の常識にとらわれず、可能性を信じてあきらめずに開発を続けたからこそ、今につながったのだと思います」樋上医師の粘り強い研究の結果、冠動脈バイパス術で使われるグラフトの質は格段によくなった。このグラフトを使って、神戸徳洲会病院の心臓血管外科ではほぼ全例で,動脈グラフトのみによる人工心肺を使わない心拍動下冠動脈バイパス術をおこなっている。
このバイパス術の成績は極めて安定しており、99%以上の救命率と良好な長期グラフト開存が実証されている。たとえば5年以内の狭心症再発率は3%以下となっており、従来のやり方に比べて格段に良好な成績を得ている。また樋上医師は僧帽弁疾患の治療においても画期的な開発をしている。それは術中心拍動下逆流評価法というもので、弁形成術の術中に大動脈を遮断しながら心臓を動かして、逆流がないかどうかを確かめることができるというもの。この方法ではその場で弁の状態を確認できるため、術中に微調整ができる。そのおかげでほとんどの例で残存逆流ゼロの完成度の高い僧帽弁形成術を実現している。
こうした新しい手法を開発できるのも、樋上医師がいつも若い医師に言っているという「自分の可能性を否定しないこと」を自分で忘れずに実践しているからではないだろうか。そしてさらに付け加える「いい医者には、いい人間の心が必要です」と。

医師プロフィール

1982年3月 神戸大学医学部 卒業
1982年6月 神戸大学及び関連病院で外科研修
1985年6月 神戸大学医学部附属病院医員(第二外科)
1987年1月 兵庫県立姫路循環器病センター 医長(心臓血管外科)
2001年2月 神戸大学大学院医学系研究科 講師(呼吸循環器外科学講座)
2001年4月 米国ミシガン大学外科 専任講師(Department of Surgery,University of Michigan)
2001年11月 島根医科大学医学部 教授(外科学講座外科学第一)
2003年10月 島根大学医学部 教授(外科学講座 循環器・消化器総合外科学)
2005年4月 島根大学医学部 卒後臨床研修センター長 [兼任]
2006年1月 札幌医科大学医学部外科学第二講座 教授
2008年4月 札幌医科大学医学部付属病院 病院長補佐 [兼任]
2012年9月 札幌医科大学医学部 心臓血管外科学講座 教授
2015年10月 葉山ハートセンター 病院長,心臓血管外科センター長[兼任]
2017年6月 神戸徳洲会病院 病院長,心臓血管外科センター長[兼任]

「狭心症・心筋梗塞・心不全」を専門とする医師