喀たん検査 家庭の医学

 喀(かく)たんから得られる情報は、炎症の性質、病原体の検出、がん細胞の特定などです。色のついたたんの場合には、細菌感染を疑います。たんの中に好中球があれば感染症が考えられ、好酸球であればぜんそくなどのアレルギーに関係した病気を疑います。
 肺炎結核非結核性抗酸菌症では特に重要な検査です。喀たんを染色・培養することにより、細菌などの病原体を確認することが可能となります。検査によっては3回以上連続して提出する場合もあります。がん細胞の検査は、顕微鏡で細胞の形状を観察し、その異常の程度によりクラスをⅠ~Ⅴに分類します。クラスⅣやⅤであれば悪性(がん)細胞と判定されます。

(執筆・監修:順天堂大学大学院医学研究科 助教〔呼吸器内科学〕 松本 直久)