慢性前立腺炎〔まんせいぜんりつせんえん〕 家庭の医学

 慢性前立腺炎では、会陰部(えいんぶ)などに不快を感じるだけで、痛みや熱はありません。抗菌薬をはじめ各種の薬剤も効果があまりありません。そのため、温熱療法や鍼灸(しんきゅう)、漢方薬などの治療もためされています。
 間質性(かんしつせい)膀胱炎と似た症状を呈します。これらの原因が不明で膀胱(ぼうこう)や前立腺部に不快感や痛みをうったえる状態を、CPPS(慢性骨盤痛症候群)と呼ぶことがあります。あきらかに膀胱や前立腺に異常がないにもかかわらずこれらの症状があるわけで、治療は困難です。

(執筆・監修:東京大学大学院医学系研究科 教授〔泌尿器外科学〕 久米 春喜)
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