森山寛 医師 (もりやまひろし)

東京慈恵会医科大学附属病院

東京都港区西新橋3-19-18

  • 耳鼻咽喉科
  • 名誉教授 (附属病院 前院長)

耳鼻咽喉科

専門

中耳疾患の病態とその手術的療法、真珠腫性中耳炎の成因の解明、鼻副鼻腔炎の病態とその治療(内視鏡下鼻内手術法の開発)

森山寛

開業医と異なり、高度な専門性が求められる大学病院においては、耳と鼻それぞれの領域に専門医が存在するのが普通。しかし、森山寛医師はその両方に精通し、治療から教育までオールマイティーにこなす。特に慢性中耳炎のなかでも処置しづらいといわれる真珠腫性中耳炎、耳鼻咽喉科の代表疾患である慢性副鼻腔炎の内視鏡下鼻内手術については群を抜くエキスパートして知られる。

診療内容

森山医師が率いた東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科教室は、現在は小島博己教授(耳のエキスパート)に受け継がれている。日本における耳鼻咽喉科学発祥の地であり、124年という本邦で最も古い歴史を有する。さらに耳科、鼻科、喉頭科などを世界においても初めてまとめて“耳鼻咽喉科”という名称をつけた教室でもある。
“臨床の慈恵”の呼び名に違わず、年間の手術数は耳・鼻・咽喉頭・頭頸部腫瘍などで約1,800件。豊富な臨床例と長年の臨床研究を背景に、同教室の医員は診療ならびに手術において優れた臨床力を誇っている。なかでも知られているのが1980年に同教室が開発した副鼻腔疾患に対する慈恵式内視鏡下鼻内手術だ。今では全国に普及し、鼻副鼻腔疾患の手術のスタンダードになっているばかりか、研修会を通じて世界中に広まりつつある。もちろん耳の領域に対する評価も高い。真珠腫性中耳炎など中耳炎の基礎・臨床研究、手術治療やその実績は世界のトップレベルにある。こうした高評価に導かれ、同病院には手術を必要とするような重症患者が多く受診する。
「手術では、本来の生理的な形態を残してあげられる術式を選ぶようにしています。手間も時間もかかりますが、その後の生活しやすさがまるで違いますからね。それに真珠腫や好酸球性副鼻腔炎など、再発率の高い疾患では、再手術のしやすさの面でも、生理的な形態を残した手術をすることが必要です」(森山医師)
医師として、ちゃんと治すのはあたりまえ。その上で、自らも心がけ、後進にも伝えようとしているのは、患者にとっての良医となることだ。
「“患者さんによってできるだけ良い治療法を選ぶ”ことが大切です。患者さんの病気のみでなく、背景(年齢、合併症の有無、職業、意欲、家族の支え、性格など)や医療環境を考え、保存的治療にするか手術的治療にするか、また手術のタイミングや、どのような術式を選択するかなど、総合的に考えられる医師が、患者さんにとっての良医だと思います」(森山医師)

医師プロフィール

1973年 東京慈恵会医科大学卒業
1975年 東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科学教室医員
1976年 同上助手
1981年 アメリカ(ニューヨーク)、コロンビア大学耳鼻咽喉科へ留学
1983年 帰国
1984年 東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科学教室講師
1990年 東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科学教室助教授
1992年 東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科学教室教授
2004年 東京慈恵会医科大学附属病院院長(耳鼻咽喉科学教室教授兼務)
2013年3月 東京慈恵会医科大学附属病院院長 退任
2013年4月 東京慈恵会医科大学名誉教授、現在に至る

【賞など】
1991年 平成3年度日本医師会医学研究助成費受賞
2002年 日本医師会最高優功賞(在任15年日本医師会委員会委員)
2006年 American Academy of Otolaryngology-Head and Neck Surgery
Foundation Honor Awards受賞
2008年 The European Rhinologic Societyの名誉会員