野中学 医師 (のなかまなぶ)

東京女子医科大学病院

東京都新宿区河田町8-1

  • 耳鼻咽喉科
  • 臨床教授

耳鼻咽喉科

専門

慢性副鼻腔炎などの鼻副鼻腔疾患や、中耳炎などの中耳疾患
内視鏡下副鼻腔手術 (ESS)、鼻中隔矯正術、下甲介手術、鼓室形成術、アブミ骨手術、顔面神経減荷術などの手術

野中学

野中学医師は耳鼻咽喉疾患を幅広く診療し、中でも診る機会が多いのは鼻副鼻腔疾患。慢性化膿性副鼻腔炎や好酸球性副鼻腔炎への内視鏡下副鼻腔手術を中心に 、鼻中隔矯正術、下甲介手術などの実績も豊富である。喘息と関わりの深い好酸球性副鼻腔炎に関しては、気道全体を一緒に診療する“One Airway One Disease”の視点に基づき、同院呼吸器センタ-と連携して気道全体のトータルケアを行う。真珠腫性中耳炎、慢性中耳炎、癒着性中耳炎、鼓室硬化症、耳硬化症、中耳奇形などの中耳疾患にも詳しい。

診療内容

野中医師は、慢性副鼻腔炎のような鼻腔・副鼻腔の疾患を中心に、耳鼻咽喉疾患全般を長年診てきた。鼻から肺に至る気道全体をとらえる、気道病態学やアレルギー学に精通する。野中医師が日ごろから大切にしているのは、鼻の入口から肺までを分断しないで「一つの気道」としてとらえる診療である。その視点が抜けてしまうと、大事に至ることもあるからだ。

「好酸球性副鼻腔炎は喘息と合併することが多く、一緒に治療することが欠かせません。その際は、気道の病気をひとまとめにして診療する、“One Airway One Diseases”の概念をきちんと踏まえて診療することが大切です。その認識の薄い耳鼻科医が担当すれば、喘息をきちんと治療しないまま、鼻の病気だけを治してしまいます。でも、上気道の病気が治っても、下気道の病気が見過ごされれば再発することもあります。同様に、認識の薄い呼吸器内科医が担当すれば、反対のことが起こりえます。喘息が元々ある人は気道全体を気にする必要があるので、総合病院のような、耳鼻咽喉科と呼吸器内科が連携しやすい医療機関にかかるといいでしょう」(野中医師)

好酸球性の副鼻腔炎は難治性で、同院は、他院にかかって薬物療法で治癒しないために紹介されてくる患者が少なくない。好酸球性副鼻腔炎に対しては、手術に加えて同院の呼吸器センタ-と協力して気道全体のトータルケアを実施。これにより治療成績が向上しているという。また、好酸球性副鼻腔炎だけではなく、耳にも起こる好酸球性中耳炎に関しても、野中医師は診療経験が豊富だ。

野中医師が診療する機会の多い慢性副鼻腔炎は、慢性化膿性副鼻腔炎と、好酸球性副鼻腔炎に大きく分けられる。慢性化膿性副鼻腔炎の薬物療法の基本はマクロライド系で、かつてのエリスロマイシンに代わり、現在は特殊な抗炎症作用を持つクラリスが広く用いられる。3カ月を目安として、常用量の2錠(1錠200mg)を朝晩服用し、その後は半量の1日1錠とする。

「慢性化膿性副鼻腔炎や好酸球性副鼻腔炎に対しては、内視鏡下副鼻腔手術 (ESS)も行います。この手術では、正常な粘膜は残しつつ、炎症を起こした部分の粘膜や鼻ポリープ(鼻タケ)、膿を取り除き、片側に4つある副鼻腔を1つの空洞につながる形にしていきます(単洞化)。手術後は止血のためにタンポンを詰め、2日後にそれを抜いて、出血がおさまったのを確認してから退院となります。慢性化膿性副鼻腔炎は、手術後も薬物療法を続けてきちんと管理すれば再手術になることは少ないですが、好酸球性副鼻腔炎は再発も多く注意が必要です」(野中医師)

なお、中耳疾患については、真珠腫性中耳炎、慢性中耳炎、癒着性中耳炎、鼓室硬化症、耳硬化症、中耳奇形などを対象に、手術を前提とした診断、治療および術後経過観察を行う。中耳手術は鼓室形成術、アブミ骨手術、顔面神経減荷術を数多く行っている。

鼻や耳の疾患は、生死に直結しないイメージから「ちょっと鼻が詰まるだけ」「聞こえにくいだけ」と安易に考える人も多い。これに対し、野中医師は「きちんと診断をつけることが大切」と強調する。副鼻腔炎が悪化すれば、周辺の脳や目にも菌が及び、まれに失明や脳膿瘍を起こすこともあるという。こうした事態を未然に防ぐには、原因を確かめ、それに即した治療を早く開始するのが一番である。異変を感じたら軽視しないで医療機関を受診したい。

医師プロフィール

1985年 日本医科大学卒業、同大耳鼻咽喉科
2007年 日本医科大学耳鼻咽喉科 准教授
2010年 東京女子医科大学耳鼻咽喉科 准教授
2012年 東京女子医科大学耳鼻咽喉科 臨床教授

「慢性副鼻腔炎」を専門とする医師