藤原敦子 医師 (ふじはらあつこ)

京都府立医科大学附属病院

京都府京都市上京区河原町通広小路上ル梶井町465

  • 泌尿器科
  • 助教

泌尿器科 婦人科

専門

女性泌尿器疾患、神経泌尿器疾患

藤原敦子

一般的に泌尿器疾患イコール男性の病気というイメージがあるが、膀胱炎・腎盂腎炎などの炎症性疾患は女性に多く、外来患者の約2~3割を占める。藤原敦子医師の信念は「性別は大きな問題ではなく、重要なのは患者と医師の信頼関係」。女性患者には敷居の高い泌尿器科受診に配慮し、尿失禁や性器脱など女性特有の疾患の治療に積極的に関わる一方、最先端医療に取り組む同科の医師として前立腺や膀胱、腎臓等の各種疾患にもフル対応している。

診療内容

高齢化社会に伴い、尿失禁や骨盤臓器脱といった女性のQOL疾患への関心が高まっている。“がん”のように直接命にかかわる病気ではないが、より楽しく充実した生活を送るために、これらの疾患の治療は非常に重要であると考える。藤原医師は多忙な業務のかたわら、女性の排尿障害を考える「ひまわり会」の幹事も務めている。
尿失禁には様々なタイプがあり、きちんと診断したうえでの治療が必要となる。女性に多い尿失禁としては「腹圧性尿失禁」と「切迫性尿失禁」がある。
腹圧性尿失禁は、腹圧時に尿がもれるタイプの尿失禁で、咳やくしゃみ、大声で笑ったときや、重い荷物を持ち上げた時、走ったときなどに失禁することが多い。この尿失禁の原因は、骨盤底の筋肉が緩んで尿道を支えられなくなることによる。治療法は、軽症の場合は骨盤底筋を鍛える運動(骨盤底筋体操)を2~3ヶ月根気よく続けることで約70%の患者に効果がある。ただ、正しいやり方で体操を行うことが必要で、当科では専門看護師による骨盤底筋体操の指導、ならびに筋力改善の経過観察も施行している。体操だけでは効果が不十分な場合は、手術療法も選択可能。手術は、尿道の裏側にテープを留置し尿道を支える方法(中部尿道スリング術、TVT手術やTOT手術)を施行している。この手術法は約30分程度で、患者の身体への負担は少ない手術法である。入院期間は3泊4日程度。
切迫性尿失禁は、急に強い尿意が起こり、トイレまで間に合わずにもれてしまうというタイプの尿失禁で、治療は薬物療法が中心。多くの場合は抗コリン剤の服用で症状が軽減するが、薬物療法で効果がない場合や副作用で継続が困難な場合は当科では電気刺激治療や、専門の鍼灸師による鍼治療(神経調節療法)も施行している。
いずれの尿失禁も頻度が非常に高い病気であるが、適切に診断、治療を行えば、多くは治療可能な病気であるので、症状のある方は恥ずかしがらず、泌尿器科を受診してほしい。
骨盤臓器脱の患者の治療も積極的に行っている。専門看護師による骨盤底筋体操の指導やリングペッサリーの自己着脱などの保存的療法や、手術療法としてはメッシュを用いて経膣的に脱を補正する、TVM手術や腹腔鏡下にメッシュを挿入する腹腔鏡下仙骨膣固定術を施行している。TVM手術は2000年にフランスのグループにより報告された手術法で、膀胱瘤、子宮脱、直腸瘤などさまざまなタイプの脱に対応可能で、子宮の温存も可能な方法である。TVM手術は、全身麻酔下で約1週間程度の入院期間である。

医師プロフィール

1999年 京都府立医科大学卒、京都府立医科大学泌尿器科学教室入局
2000年6月 松下記念病院泌尿器科
2002年7月 社会保険京都病院泌尿器科
2003年4月 京都府立医大大学院入学
2007年3月 同 終了 (2007年10月学位取得)
2007年4月 大阪中央病院泌尿器科 (女性泌尿器科)
2007年7月 京都府立医大泌尿器科医員 (泌尿器科専門医)
2008年4月 同 病院助教
2011年8月 京都府立医大泌尿器外科泌尿器先端医療講座 助教
2016年4月 京都府立医科大学泌尿器科 学内講師

「女性泌尿器(尿失禁)」を専門とする医師