中村聡 医師 (なかむらそう)

なかむらそうクリニック

東京都港区麻布十番1-7-1 MGB麻布十番ビル5F

  • 院長

泌尿器科 婦人科

専門

女性泌尿器、泌尿器科全般

中村聡

2005年4月に、東京都済生会中央病院泌尿器科で、尿失禁・骨盤臓器脱の治療を扱う女性泌尿器科外来を設立。中村聡医師は、毎週火曜の午後に同外来で女性泌尿器科疾患の診断・治療を担当。尿失禁は女性に多く、死に至る疾患ではないがQOL(生活の質)を落とす病気のため、極めて重要でデリケートな病気として知られる。同外来では、それを踏まえ安心して受診できる診療体制と、しっかりと治す簡便な治療法を提供。また2011年3月には電話相談を開始し、症状に悩む女性患者のサポートを行っていた。

2015年5月に東京都済生会中央病院を定年退職し、9月より麻布十番にて「なかむらそうクリニック」を開院。泌尿器科全般に加え、女性泌尿器科領域にも注力する。東京都済生会中央病院では非常勤職員として治療は継続し、毎週水曜日午後に外来(膀胱鏡などの検査外来)を行う予定。クリニックでは、保存的治療、術前術後のフォローアップなどを行い、侵襲的検査や手術に関しては、連携病院に依頼という分担で行う。

診療内容

「冬から春にかけて、寒さや咳・くしゃみなどで尿失禁(尿もれ)の症状がひどくなる人が多くなりますが、ほとんどは治療が可能です」と話す中村医師。
開院した「なかむらそうクリニック」では、泌尿器科全般に加え、女性泌尿器科領域にも注力する。
中村医師によると、女性の尿失禁として多いのは、腹圧性尿失禁・切迫性尿失禁、その2つが合わさっている混合性尿失禁であり、成人女性の3人に1人は尿失禁を経験しているという。確実な診断のために、まず問診から開始する。排尿状態、睡眠、精神的問題に関する尿失禁問診表とQOL問診表に回答をしてもらうことで、時間をかけて問診を行う。これで、ある程度上記3種類の鑑別診断がつくという。
【治療】腹圧性尿失禁:症状は、咳・くしゃみでおなかに力が入ったときに尿がもれてしまうもので、女性の尿もれの7割がこのタイプ。妊娠・出産による骨盤底筋や靭帯の損傷、肥満による骨盤内臓器支持の不十分さ、更年期による女性ホルモンの低下とそれに伴う尿道やその周辺組織の不安定さ、加齢による骨盤底筋の弱まりなどが原因となる。治療法は大きく分けて、体操、薬、手術の3つ。体操は骨盤底にある筋肉を鍛えるもので、骨盤底筋体操と呼ばれている。「誤った方法で行うと逆に症状を悪化させる可能性もありますので、きちんとした指導のもと行ってください」(中村医師)
治療に使われる薬には、尿道を締める力を補強するような効果があるが、体操と併せて服用することが推奨される。手術は確実に根治したい人や活動的な人には有効な手段である。中村医師は「現在、世界で最も多く行われているTVT法という手術は、尿道の支えを人工の靭帯(メッシュ状のテープ)で補強する手術で、世界でおよそ100万件以上実施されています。最近、手術後11年の長期成績が報告され、その有効性も80%以上です」と解説。このTVT法は局所麻酔でも行うことができ、手術時間も通常30~40分程度、患者の体への負担が少ないのが特徴である。
切迫性尿失禁:尿意が突然来てもれてしまうのがこの尿もれの特徴で、冷たい水に触れた時に思わずもれた、トイレに間に合わないといった症状もこのタイプに含まれる。尿を出してよいという指令がないのに勝手に膀胱が収縮して尿がもれてしまうので、脳梗塞などの病歴がある人にこの症状がみられることもある。ただすべての原因が解明されているわけではない。「最近の報告では、予備軍(尿意の切迫感や頻尿)を含めて過活動膀胱という症候で定義され、かなりの方がその症状を有していると言われ、男性女性問わず高齢になるに従って、この症状を有する方は増える傾向にあります」(中村医師)
治療法は、主に薬と膀胱訓練。薬は膀胱をリラックスさせ必要以上に過敏な反応を抑える効果のある薬を処方する。薬がこの尿もれの主要な治療法となる。また、中村医師は膀胱訓練について次のように説明する「まずは3日~1週間程度の排尿の状況について、排尿日誌をつけてもらい、患者の水分摂取と排尿の状況を把握します。その結果、例えば水分の摂取量と比較してどうもトイレに行く回数が多いということであれば、尿が十分に貯まる前にトイレに行く習慣になっているため、もう少し我慢してからトイレに行くよう指導します」。すなわち、自身で膀胱に尿が貯まるようトレーニングするようなイメージで、適切な排尿習慣を身につける訓練である。
骨盤臓器脱:骨盤臓器脱の治療は婦人科と連携して治療にあたる。骨盤臓器脱とは骨盤の底の筋肉や靭帯の緩みによって、膣から骨盤内の臓器(子宮・膀胱・直腸・尿道・小腸)が膣とともに脱出してくる病気で、女性特有の疾患。“お風呂の中で、外陰部からピンポン玉のようなものが触れた””股の間に何かはさまっているような不快感がある”“脱出した膣部が下着にすれて痛んだり、出血を起こしたりする”“排尿困難や排便困難”などの症状がある。これも女性のQOLを低下させる疾患のひとつといえる。一番大きな原因は出産で、その他慢性の咳、重症の便秘、力仕事、肥満、喫煙などが原因として挙げられる。治療は、軽症であれば、女性ホルモンの投与や、骨盤底筋体操を実施。また、ペッサリーという輪状の装具を膣内に挿入して、脱出した臓器を持ち上げる方法もあるが、これには合併症があり、一生挿入し続ける必要がある。根本的な治療は手術療法となり、メッシュ手術(TVM手術)を行う。これは、メッシュと呼ばれる網目状のシートを膣壁と膀胱の間、膣壁と直腸の間に埋め込み、痛んだ筋肉や靭帯を補強する方法。再発率は非常に低く、入院期間は約1週間、健康保険適応となる。

クリニックでは、保存的治療、術前術後のフォローアップなどを行い、侵襲的検査や手術に関しては、連携病院を紹介。今後も東京都済生会中央病院の非常勤職員として診療を継続し、毎週水曜日午後には外来(膀胱鏡などの検査外来)または手術への参加(指導)などを行う予定。東京都済生会中央病院であれば、中村医師の診療枠で対応も可能である。排尿に関する悩み、膀胱や子宮が下がってくる骨盤臓器脱の悩み、病院を受診したほうがよいのかなどの質問はクリニックにて対応可能である。

医師プロフィール

1980年 慶應義塾大学医学部 卒業
1980年 慶應義塾大学医学部泌尿器科学教室入室 
1982年 研修医課程終了
1986年 専修医課程修了
1987年 アレキサンダーフォンフンボルト財団給費研究員として、西ドイツ デュッセルドルフ大学医学部泌尿器科学教室留学
1988年 慶應義塾大学泌尿器科学教室助手
1989年 東京都済生会中央病院泌尿器科医長
1993年 東京都済生会中央病院泌尿器科部長
2009年 東京都済生会中央病院副院長
2015年5月 東京都済生会中央病院 退職
2015年9月 なかむらそうクリニック開院 院長

「女性泌尿器(尿失禁)」を専門とする医師