島田紀朋 医師 (しまだのりとも)

おおたかの森病院

千葉県柏市豊四季113

  • 消化器肝臓内科
  • 部長

消化器科 内科

専門

ウイルス性慢性肝疾患・自己免疫性肝疾患の診断・治療、食道・胃静脈瘤の内視鏡的治療・IVR、肝細胞がんに対する集学的治療(TAE・RFA・PEI・リザーバー動注化学療法等)、門脈圧亢進症に対するIVR(PSE・BRTO等)

島田紀朋

島田紀朋医師は東京慈恵会医科大学第一内科、虎の門病院消化器科(肝臓科)等で肝疾患に対する研鑚を積み、その後、肝臓病において全く実績のなかった一般病院(平和台病院、新松戸中央総合病院)において肝臓科を立ち上げ、ウイルス性慢性肝疾患や自己免疫性肝疾患、食道・胃静脈瘤、肝細胞がんなどに対する治療に尽力してきた。2014年8月より千葉徳洲会病院に勤務した後、2015年7慣れ親しんだ東葛北部地区で発展途上にあるおおたかの森病院に消化器肝臓内科部長として赴任した。
現在「慢性肝炎専門家」「肝がん専門家」「静脈瘤専門家」のように肝疾患でも専門分化しているが、島田医師はその全てを自身で行う。具体的には肝生検、肝がんに対するTACE(TAI)、RFA、PEIT、リザーバー動注、食道胃静脈瘤に対する内視鏡的治療(EIS、EVL)、BRTO、門脈圧亢進症に対するPSE、Denver shunt術等をすべて担っている。総合的に自らすべてを行うことで、肝疾患が進行すればするほど治療が困難になることを身をもって知り、より早期の段階での治療を目指すことが可能になった。また、それらの治療が一人よがりのものでないことを証明し、かつ患者に貢献できるようにするため、常に学会、研究会等での発表や論文執筆に努めている。

診療内容

島田医師の最も得意とする分野は肝臓病で、扱う疾患は、急性肝炎、慢性肝炎、肝臓がんなど多岐にわたる。
B型肝炎に対しては、年齢や線維化のレベル、ウイルスの遺伝子型,ウイルス量等を考慮し、核酸アナログ製剤(エンテカビル、テノフォビル、ラミブジン、アデフォビル:現在の第一選択薬はエンテカビルまたはテノフォビル)や、インターフェロン(IFN)治療を行い、ウイルス量の低下・トランスアミナーゼ値の正常化を目指し、肝硬変への進展予防、発がん予防を行っている。また最近ではHBs抗原の陰性化を目指したいわゆるシークエンス療法(核酸アナログ製剤投与中の患者に対してペグインターフェロンとの併用療法を行う治療)を積極的に行っており、千葉県では最も多く施行しており、HBs抗原の消失のみならず、HBs抗体を獲得した患者数も増加している。
C型慢性肝炎に関しては、常に肝臓がんの発症予防を念頭におきながら、ウイルスを消す(完全に治る)ことを目的としたIFN療法、内服薬(リバビリン)との併用療法等を積極的に実施してきた。2011年末、DAAという直接型の抗ウイルス薬(テラプレビル)が使用可能となりウイルス排除(SVR)率は飛躍的に向上した、さらに2014年12月からはより副作用が少なく効果的なシメプレビルとペグインターフェロン、リバビリンとの3剤併用療法が可能となり、SVR率は遺伝子型1の難治性C型慢性肝炎においても約85%が治癒するようになった。ペグインターフェロン、リバビリン併用療法から現在に至るまで、医師一人当たりの症例数は全国でもトップ10に入るレベルである。特にDAAsとペグインターフェロン、リバビリンとの3剤併用療法に関しては島田医師が主治医として約170名の患者さんに治療を行った。IFNを使用した治療で最も重要なことは副作用の管理であり、経験豊富な医師が治療することで脱落率が大幅に減少し、結果的にSVR率が向上することが知られており、主治医の選択は非常に重要なことである。 2015年9月からは本邦初のIFNを使用しない治療(ダクラタスビルとアセナプレビルの併用療法)が可能となり、IFNの使用が困難な患者やペグインターフェロン、リバビリン併用療法でウイルスが一度も陰性化しなかったような難治例に対しても85%以上のSVR率が得られることが期待されている。しかし、ダクラタスビルとアセナプレビルの併用療法ではC型肝炎ウイルスの変異の有無によりSVR率が大きく異なることが知られており。当院ではNS5A領域の変異やIL28B SNPという人固有の遺伝子を患者の自己負担なしで測定することで、いわゆる患者に最適なテーラーメイド治療を行っている。ダクラタスビルとアセナプレビルの併用慮法では適切な症例を選択することで90%以上のSVR率が得られることが予測されている。さらに2015年5月からは遺伝子型2の慢性肝炎・代償性肝硬変に対してもIFNを使用しないソホスブビルとリバビリンの12週間の併用療法が使用可能となり、従来に比較してより短期間で副作用が少なく治療効果も著しく向上することが期待されている。しかしこの治療でもリバビリンという貧血の出現する薬剤を使用しており、リバビリンの適切な減量にはやはり、ペグインターフェロン、リバビリン併用療法を自身で多く経験した医師が診療を行うことは重要であると考えられている。
現在、C型肝炎治療は大きな変遷期を迎えており、今後はダクラタスビルとアセナプレビルでの治療不成功症例で様々なウイルス変異が出現しており、そのような症例に関しては、詳細なウイルス変異を経時的に調べることで、様々な薬剤の組み合わせの治療の選択肢が出てくることが推測され、このような一般的に保険適応になっていない検査が当院で患者の自己負担なく行えることは大きなメリットであると考えられる。
また、肝硬変の合併症である食道・胃静脈瘤に対しては、内視鏡的硬化療法・結紮療法も提供。胃静脈瘤の治療には、内視鏡的硬化療法や血管造影を応用したバルーン閉塞下逆行性静脈瘤塞栓術(BRTO)を症例によって併用あるいは単独で行い、良好な成績を上げている。また、十二指腸や直腸などの異所性静脈瘤に対しても積極的に治療を行っている。
肝臓がんには、肝動脈塞栓術、ラジオ波治療、外科手術等を適応に合わせて施行している。肝動脈塞栓術では2015年に使用が可能となったビーズを使用した治療を症例に合わせて積極的に施行し現在のところ、良好な成績を上げている。また、手術に関してはおおたかの森病院では、2005年の開院以来、肝胆膵外科が専門である東京大学、国立がんセンター中央病院などで、肝移植も行っていた院長である松倉聡医師を中心に肝臓がんの外科的手術を積極的に行っており、島田医師も新松戸中央総合病院時代に多数の外科的治療の適応症例患者を松倉聡医師に依頼して手術を行ってもらっていた。相互に信頼関係が構築されているため、ガイドラインに準じて、内科的治療、外科的治療を内科・外科の垣根がなく選択できることが、民間病院ならではの大きな特徴である。定期的に経過観察をしている最近の症例では、ほとんどが2cm以下で発見されるので、ラジオ波焼灼療法(RFA)が主流となっている。しかし、既に進行した肝癌症例も少なくなく、同院では門脈腫瘍塞栓等に対しては従来のリザーバー動注療法や分子標的薬(ソラフェニブ)を患者にとってbestな選択肢を提供している。

医師プロフィール

1991年3月 東京慈恵会医科大学 卒業
1993年5月 東京慈恵会医科大学第一内科
1994年6月 虎の門病院消化器科(肝臓科)
1997年1月 東京慈恵会医科大学付属柏病院総合内科
1999年7月 東京慈恵会医科大学消化器・肝臓内科(内科学講座第1)
2002年8月 平和台病院 内科部長(消化器内科)
2005年8月 新松戸中央総合病院 消化器・肝臓科部長
2014年8月 千葉徳洲会病院 消化器内科 肝臓病センター長
2015年7月 おおたかの森病院 消化器肝臓内科部長