羽鳥正仁 医師 (はとりまさひと)

東北公済病院

宮城県仙台市青葉区国分町2-3-11

  • 整形外科
  • 副院長
  • 統括部長

整形外科 外科

専門

外反母趾などの成人足部疾患の治療、骨・軟部腫瘍の治療

羽鳥正仁

羽鳥正仁医師は、外反母趾・内反小趾などの足部・足趾変形の治療を得意とする。拡大鏡を使った丁寧な手術を心がけている。手術療法のみならず扁平足や外反母趾など個々の足の変形に応じたインソールを作成し保存療法でも好成績をあげている。また、日本では極めて稀な足部発生骨・軟部腫瘍治療の専門家でもある。整形外科疾患に精通した放射線医、病理医と組んだチーム医療を行っており多くの患者が外来を訪れている。日本足の外科学会、日本靴医学会の理事も務めており多忙な日々を送っている。

診療内容

近年仙台市内では入院病床・手術室が稼動している整形外科が減少しているなか、東北公済病院整形外科は仙台市の中心部に位置し、入院病床・手術室を備える先進の医療施設として市民からの信頼も篤い。エコー、 CT、MRIなどの画像検査や組織検査を行うための器材も完備し、骨・軟部腫瘍に関しても手術をすべきか、経過観察でよいのかの診断等の正確性も非常に高く、同院整形外科の統括部長を務める羽鳥医師は「安全・確実な診療を提供していきたい」と日々の診療に邁進している。羽鳥医師の専門分野は足の外科、骨軟部腫瘍であり特に外反母趾、内反小趾などの足部変性疾患、足部発生の骨・軟部腫瘍の診断・治療を得意とする。
外反母趾は女性に多い疾患で、男性の患者は女性の10分の1以下といわれている。一般的に女性の方が関節が柔らかく、筋肉や靱帯の発達が弱いために足の変形を起こしやすいためといわれている。女性はとくにハイヒールなどの先細の靴の常用が助長していると考えられている。ゲタや草履を履いていた時代には外反母趾という疾患は見当たらず、我が国でも戦前にはほとんど外反母趾になる人がいなかったという。
外反母趾になると、親指が中足趾節関節(MTP関節)という関節のところで「くの字状」に曲がり「く」の字の突出部が靴などで繰り返し圧迫されると、関節部分の滑液包炎や滑液包の肥厚が起こり赤く腫れて、バニオン(Bunion)を形成し、靴を履くと当たって痛むようになる。重症になると親指が第2指の上に重なったり、潜り込んだりして歩行が困難になる。
外反母趾は親指に原因があるのではなく、足のアーチの高さが低下、もしくは破綻することにより体重を支えきれなくなって足の変形を来す疾患である。
足には縦アーチと横アーチという2つのアーチが形成されていて、地面に設置する時の衝撃を吸収すると同時に、地面を蹴るときのバネの働きをする。なんらかの原因で靱帯が緩んでアーチが崩れる開帳足(横アーチが下がって足が広がった状態になる。足の指の付け根にマメやタコなどができる原因になる)になり、さらに進行すると外反母趾へと進行する。このように足のアーチの破綻によって起きる疾患が外反母趾であり、足のバネが効かない状態なので地面からの衝撃や重さが直接身体に伝わるため、足首に負担がかかるほか、膝痛や腰痛、肩こりなどの原因となることもある。
外反母趾は第1中足骨頭の形態異常等の先天的な要因によるほか、先の細い靴など足に合わない靴の使用や、リウマチなどの関節の炎症が原因で関節に変形が生じる場合がある。症状の初期は靴を脱いだり、マッサージをすることで親指の外反の状態が戻るが、バニオンができるなどして症状が進行し靭帯が拘縮した状態になると外反のまま戻らなくなる。一定以上の外反母趾になると、ハイヒールを止めてよい靴を履いても、また、靴を履かなくても歩けば症状が進み、最終的には他の指に親指が重なり、親指の関節が脱臼したような状態になってしまう。外反母趾が進行すると健康な足の状態に戻すことは難しいので外反母趾を軽く見ないで、早期の治療が大切である。
治療法はよい靴を選ぶと同時に、アーチの保持と回復のための「足底板」という装具による足の変形を矯正する方法がある。足底板は靴の中敷のようなもので、足のアーチを補強するもの。うまく調節しないと逆効果になるので、患者1人ひとりの足に合うよう慎重に調節する必要がある。また、足底板を装着した時に靴がきつくならないよう、あらかじめ靴の大きさと深さを考慮して靴を購入する。足底板を装着したときのフィット感を確認して靴を選ぶことが重要である。また、足底部の親指のほか第2指、第3指のつけ根にもタコができて痛む場合もある。その場合は中足骨パッド付きのアーチサポートを処方する。市販のものもあるが、パッドの位置が自分の足に合わないと逆効果になるので注意が必要だ。
靴の選ぶ際、小さすぎる靴をちょうどよいと勘違いしている女性が非常に多く、外反母趾予備軍を形成しているといっても過言ではない。靴を選ぶ際のポイントは、かかとに小指が入る程度のゆとりがあり、靴先には指が自由に動くことができるスペースがあること、靴の先端が中央ではなく、内側に寄っていること、
のつけ根のところの靴の幅がきつくないこと、ストッキングをはいても足が前に滑らないヒールの高さであることなどがポイントである。
保存療法を試みても症状の改善が見られず、靴を履かずに歩いても痛いといった場合は手術による治療法がある。手術法は100種類以上あるといわれており、それだけ試行錯誤が行われているということで、決定打となる方法がまだ確立されていないのが現状である。ただ「軟部組織矯正術」(McBride法など)や「中足骨骨切り術」(Mann法やMitchell法など)、「基節骨骨切り術」(Keller法など)などの代表的な手術法がいくつかあり、これらの手術法を個々の患者に応じて使いわけ、ときに組み合わせて最善の方法を用いている。手術後は再発を防ぐことが重要で靴選びを慎重に行い、インソールなどを用いてアーチを保持する必要がある。
外反母趾の人の靴選びの際には自分の足の形にあった靴を選び、親指の付け根の出っ張った部分だけをシューストレッチャーなどと使って押し広げて履く方法を推奨する。足先が全体に広がった靴を選ぶ人が多いが、痛みは少なくなるが靴幅が広くなりすぎ、足全体をサポートする力が弱く、外反母趾を助長しかねないためである。
羽鳥医師は現在外反母趾の矯正装具の開発にも取り組んでおり今後の臨床応用が期待されている。

医師プロフィール

2004年 東北大学大学院 講師
2007年 東北大学医学(系)研究科(研究院)助教授
2007~2009年 東北大学大学院・医学系研究科准教授
2008~2009年 東北大学医学(系)研究科(研究院)准教授
2009年 東北大学大学院・医学研究科准教授
2015年1月 東北公済病院 副院長