納光弘 医師 (おさめみつひろ)

今村病院分院

鹿児島県鹿児島市鴨池新町11-23

  • 納光弘外来
  • 公益財団法人慈愛会 会長

内科 神経内科

専門

内科、神経内科、脳卒中、頭痛、痛風

納光弘

2001年、59歳の時にみずからが専門とする疾患のひとつ、痛風にかかったのをきっかけに、自分の体を実験台にしてアルコールと痛風の関連性を研究。「痛風はビールを飲みながらでも治る!」という本を出版して注目を集める。2007年に鹿児島大学病院を定年退職後、現職につき、夢だった日曜日にも一人一時間かけて診察する「納光弘外来」をスタートさせた。「痛風だけではなく、どのような症状や悩みでも相談に乗ります」という特殊外来は納医師の人柄もあわせて人気を博している。

診療内容

「患者さんには、お酒を控えましょうと、さんざん言っておきながら、自分では長年大酒を飲んできたのですから、当然の結果というか、医者の不養生のツケでしょうね」59歳で痛風発作が起きた時のことを笑いながらこう話す納医師は、これは神様が与えてくれたチャンスだから、自分の体を利用して徹底的に研究してみようと思ったのだそうだ。
「お酒を飲んだり、ゴルフをしたり、いろいろなことをしながらデータを集めました。それもわざと大酒を飲んだり、アルコールの種類を変えてみたりしました。その結果、痛風はお酒を飲みながらでも治していける病気だと確信したのです。もちろんガブガブ飲んでもいいというわけではありませんよ。飲み方があるのです。量をコントロールして飲むようにすれば、逆にストレス解消となり、尿酸値を下げる効果があることがわかりました」
納医師によれば、ビールはプリン体が多いので痛風患者にはいけないというのが常識になっているが、鶏レバーや白子など他のプリン体が多いと言われる食品に比べると微々たる量で、さらにビールはアルコール濃度も低いため、同じ量のアルコールを飲んだとしても水分がより多く摂取されることになり、痛風の合併症のひとつである尿路結石の予防につながるという。
「自分でいろいろ実験をしてみてわかったのですが、アルコールは少し飲むと尿酸値が下がり、飲み過ぎると上がりました。ですから、尿酸値を下げるためには、まずストレスをなくし、アルコールの量を自分の適量に制限することです。おおまかな目安で言うと、日本酒なら1.5合、350mlの缶ビールなら2本程度でしょうか」(納医師)
大敵はむしろストレスであり、注意すべきは生活習慣を見直すことだという。多くの病気の元となる肥満に気をつけ、適度な運動をし、食事も個々の品目のプリン体含有量を気にするよりも全体の量に気を使うことが大切だそうだ。そんな納医師が日曜日に一人一時間かけてゆっくりと診察をしたくてはじめたのが「納光弘外来」だ。
「私にとっては大学病院時代からの夢でしたから、この外来のことを夢追い外来と名付けています。医療はサービス業です。日曜日に休むデパートはありませんね。しかも、相手は病気を患った患者さんですから、他の分野よりもサービスしなければいけません。大学病院でも日曜日の診療を実現したいという夢を持っていたのですが、なかなか実現できませんでした。そこでこちらに勤務したのを機会に、私のこれまでの夢を実現することにしました。この外来では、お一人に1時間かけてゆっくりと診療します。私の専門は神経内科や痛風ですが、なかなかはっきりした診断がつかずにお困りの方や、セカンドオピニオンの必要な方など、どのような症状や疾患でお悩みの方のご相談にも応じます。私が専門でない病気のときは、誰に診てもらうのが一番いいか一緒に考えたいと思います」
なかなか診断がつかない病気を抱えて困っているような時、どうしたらよいのか「一緒に考えてくれる」外来は、なかなかない。日曜日に一人一時間もかけて診察してくれる外来も聞いたことがない。それを実現した「納光弘外来」は、患者にとっても夢追い外来である。
「患者さんにモヤモヤした不安が吹き飛び、元気になりました! と喜ばれるのが一番うれしい」と、納医師は語った。

医師プロフィール

1966年3月 九州大学医学部 卒業
1970年6月 聖路加病院シニアレジデント
1971年11月 鹿児島大学病院第三内科助手
1973年4月 国立療養所南九州病院厚生技官・神経科医長
1975年4月 東京大学医学部薬理学教室(国内留学)
1977年1月 メイヨークリニック神経科(米国留学)
1986年5月 新しい脊髄疾患・HAMを発見
1987年10月 鹿児島大学第三内科 教授就任
2001年1月 鹿児島大学大学院院長
2007年3月 鹿児島大学定年退職
2007年4月 財団法人慈愛会 会長就任