中村雅也 医師 (なかむらまさや)

慶應義塾大学病院

東京都新宿区信濃町35

  • 整形外科(脊椎・脊髄外科)
  • 教授

整形外科 外科

専門

脊椎脊髄一般、脊髄疾患、脊髄腫瘍、脊髄再生

中村雅也

中村雅也医師は、90年代前半から脊髄の研究を始め、現在は京都大学の山中伸弥医師と共同でiPS細胞を使った脊髄再生移植の研究を行っている。今まで中枢神経である脊髄は、ひとたび切れたら決してつながらないと言われていたが、iPS細胞を使い、環境を整えることで延ばす方法の開発に成功。また、ヒトと同じ霊長類であるサルを使った治療でも成功し、3年以内には、患者への治療法として取り入れていきたいとのこと。また、研究を行う傍ら、脊髄外科のスペシャリストとして、年間100例ほどの手術を行っている。

診療内容

脊髄とは、脳と体をつなぐ中枢神経のこと、ケガ等によるこの部位の損傷を脊髄損傷と言う。損傷を受けた部位以下の脊髄が麻痺症状を起こす、部位が脳に近いほど麻痺する部位は広範囲となる。場合によっては一瞬にして、手足が動かなくなり、感覚も全くなくなってしまう。脊髄損傷で動けなくなった人を、現代医学では治すことができない。意識は正常だが動けないため、人の手を借りた生活が一生続く。

中村医師は、90年代前半から脊髄の研究を始め、いろいろと取り組んでいる中で行きついたのが、京都大学の山中伸弥先生との共同で行っているiPS細胞を使った脊髄再生移植の研究である。今まで中枢神経である脊髄は、ひとたび切れたら決してつながらないと言われていた。しかしiPS細胞を使い、環境を整えることで延ばす方法の開発に成功した。既に、ヒトと同じ霊長類であるサルの治療にも成功し、ほとんど動けなかったサルが、ケージを飛び移れるほど回復していると言う。まだ研究レベルだが、霊長類の脊髄損傷に対して、人のiPS細胞から誘導した神経のもとになる神経幹細胞を移植することで機能改善が得られることが分かった。
「技術的なレベルでは、患者さんの身体に入れてもいい安全な細胞の製作は既にできています。あとは安全性をいかにクリアーするか、最終段階に来ています。3年以内には、患者さんの治療に入りたいと思っています」と中村医師は力強く語る。

慶應義塾大学の脊椎・脊髄診療班は日本のパイオニアとして、片開き式頚部脊柱管拡大術(ELAP)、経皮的髄核摘出術(PN)などオリジナリティーが高く、世界に広く用いられている手術術式を考案し、この分野で指導的役割を果たしている。現在7名の専門医(脊椎内視鏡下手術・技術認定医2名)を擁し、年間手術件数は500例超。また、脊髄再生・椎間板や側弯症の原因遺伝子同定・椎間板の加齢変化に関するMRIや軟骨代謝マーカーを用いた研究・新しい医療用デバイスの開発など、さまざまな基礎的および臨床的研究を行っている。(慶應義塾大学医学部 整形外科学教室HPより:http://www.keio-ortho.jp/orthopaedic/group01.html)

医師プロフィール

1987年3月 慶應義塾大学医学部 卒業
1987年5月 慶應義塾大学医学部研修医
1989年5月 慶應義塾大学医学部助手(専修医)(整形外科学)
1993年7月 慶應義塾大学助手(医学部整形外科学)
1998年~2000月 Georgetown University, Dept. of Neuroscience, research fellow
2004年4月 慶應義塾大学専任講師(医学部整形外科学)
2007年4月 京都大学再生医科学研究所非常勤講師
2012年6月 慶應義塾大学准教授(医学部整形外科学)
2015年2月 慶應義塾大学教授

「腰痛(腰椎椎間板ヘルニア)」を専門とする医師